FC2ブログ

≫ EDIT

ディーゼル対策の半額チケットは僅か半日で売り切れ

 ディーゼル車走行禁止を防ぐため、モデル都市エッセンで行われる社会実験の目玉は、このブログで紹介したように、来年1月からの2年間について提供される公共交通の半額チケットだろう。その販売が昨日の12月17日(月)に開始され、すぐに売り切れてしまった。交通会社の担当者も、「これほど早く売り切れるとは思っていなかった」とコメントしている。基本的に2年定期を購入することになるので、ためらう者も多いと予想していたそうだ。

 提供可能な半額チケットの枚数は、補助金額の限界により約2,350枚に限られる。そこで、都心の顧客センターに約千枚の2年定期を準備すると共に、インターネットでも予約を受け付けた。顧客センターでは、朝8時の販売開始で長い列ができ、10時半には売り切れてしまった。一方、インターネットでの予約は午前0時に開始され、当初1時間に429件もの申し込みがあったそうだ。こちらも、月曜の昼に受け付けが停止された。現在は、顧客センターで購入した客と、インターネットで予約した客のチェックが行われている。予約したと同時にセンターで購入した客が多く、チケットが残っていることになれば、金曜日に販売される。

 この割引きチケットを購入できるのは、これまで公共交通の定期を有していない、車からの転換客である。しかも、提供されるのはエッセン市内のチケットで、市外から通勤する者には恩恵がない。こうして、バスや電車の常連客の一部から、「自分たちは二流客扱いだ」と、不満や怒りが表明されていた。

水色で示された市内18地区とアウトバーン40号線につき、窒素酸化物を多く排出する車の走行禁止が命じられた。(FAZ紙より)
 モデル都市として窒素酸化物削減のために補助されることを考えると、転換客に限るのはやむを得ないと思われる。しかし、「市外からの通勤客を除外して、本当に窒素酸化物の削減に成功するのだろうか」という声には、同感する。右の図のように、先日の判決で古いディーゼル車に走行禁止が命じられた地区は、どちらかというと市外からエッセンに通勤する人が多く通過すると思われる地区が主体だからである。

 今年もあと2週間である。2019年に入り、エッセンの通勤光景が変化するのだろうか、そしてそれが窒素酸化物の削減につながるのだろうか。とにかく年明けが待ち遠しい。
スポンサーサイト

| 公共交通 | 16:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

アウトバーンのライン架橋で過積載トラックの排除を開始

 日本から「よく整備されていて、(もともとは)無料」とうらやましがられるアウトバーンだが、実際にはいろいろ悩みがある。ドイツ最大の大都市圏であるルール地方を東西に走り、「ルールアウトバーン」とも呼ばれる「アウトバーン40号線」も、その代表格の一つだろう。日に10万台の車が利用し、渋滞することも多いので、「世界一長い駐車場」と皮肉られることもある。

アウトバーン40号線でライン川を渡る斜張橋。
(Wikimedia Commonsより)
 現在、このアウトバーン40号線で最も大きな難点は、デュイスブルク市にあるライン架橋である。老朽化が進み、数年前からは年に何回か通行が規制され、溶接し直されたりするようになっている。以前も説明したように、この橋はもともと1日3万台の交通量に対して計画されたものであり、現在ほど多くの大型トラックが通ることは考えていなかったので、このような状況になってしまったのも当然かもしれない。現在、フルスピードで新しい橋の計画が進められている。新橋は上下各4車線の8車線で計画され、連邦も優先して建設を進める意向であるが、まだ計画確定が完了していない。工事開始はその後になるので、当面は「今の橋に長生きをしてもらう」ことが重要である。

 延命策は、主に3つある。一つはこまめに転換し、ヒビなどを発見したら、直ちに通行を制限して補修することである。最近は少し落ち着いたようだが、2014~15年にはよく通行制限のニュースが流れ、「またか」と思っていたものだ。最近も、今年の夏休みに2週間ほど通行禁止になっている。対策の二番目がスピード制限だが、守ってもらうには取締りが欠かせない。こうしてまず2015年5月に東方向の車線に自動取締り機が設置された。当時は東方向は時速80キロ制限で、多数の車が反則金を求められたが、路面の整備が終了した半年ほど後には、西方向と同じ時速100キロにされた。

A40ライン架橋の手前に設置された重量計のある車線へと入るトラック。重量オーバーの場合は、赤信号がつき、遮断機が自動的に降りるようになっている。(Der Westen紙より)
 最後の延命策が、重量制限を確実に行うための重量計設置である。ケルン近くのアウトバーン1号線ではすでに行われていた対策だが、A40ライン架橋でもようやく工事か完成し、先月の11月9日朝から東方向で稼働し始めた。

 止められるのは、全重量が40トン、あるいは車軸あたりの負担が11.5トンを超えるトラックである。橋の手前でトラックを徐行させ、道路に設置した重量計で測定し、疑わしいトラックに対しては遮断機が降り、通過させない。同時に、そばの建物で監視している職員がトラックを駐車場に誘導し、そこで正式の測定を行う。この2回目の測定は、警察か連邦職員が行うので、監視作業にはかなりのスタップが必要で、経費もそれなりにかかる。

 こうして稼働から1ヶ月間に、過積載のトラック約2千台を発見し、橋の通行を止めた。なお、僅かのオーバーの場合は大目に見てもらえるが、そうでない場合は反則金も求められる:監視経費と比較すると、スズメの涙ほどの金額に過ぎないようだが。もちろん、反則金を免除された場合でも、過積載である以上、橋を渡るのは認められない。例外が、ばら積みなどで荷物が偏り、ある車軸の負担が大きくなっていた場合である。この場合は、積み荷の移動で許容範囲に収まれば、橋を渡ることが許される。

 新橋の完成までかなりかかる以上、費用はかかっても、とにかく「長持ち」してもらわねばならない。だから、西方向についても重量計の設置工事が進められているそうである。

| アウトバーンや交通規制 | 22:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

エッセンにディーゼル走行禁止の判決 - アウトバーンも

 このブログで何回か紹介しているように、現在、ドイツではディーゼル車の排気ガスに含まれる窒素酸化物への対策として、「一定基準に満たないディーゼル車を走行禁止にするかどうか」が大きな問題となっている。環境関連NPOのドイツ環境援助の提訴により、連邦行政裁判所は、デュッセルドルフとシュツットガルトに関し、「現行法の下でも、ディーゼル車走行禁止を実施することはできる」という判断を示している。

水色で示された市内18地区とアウトバーン40号線につき、窒素酸化物を多く排出する車の走行禁止が命じられた。(FAZ紙より)
 この環境NPOは、連邦政府が公共交通の活用で窒素酸化物を削減する社会実験の対象としたエッセンについても、ディーゼル車走行禁止を求めて提訴していた。その裁判の一審判決が、この11月15日に示された。これまでの判決は、汚染が深刻な道路の一定区間を対象に、古いディーゼル車の走行禁止を命じるのが普通だった。しかし、エッセンへの判決は、右図の水色で示した市内18地区につき、面的に走行を禁止するように命じた。エッセン市は50地区で構成されているので、市内の約1/3が禁止の対象となるわけである。

 道路の一部区間だけでなく、ゾーン的に禁止が命じられた背景には、エッセン市側の反論にも関係があるかもしれない。これまでエッセン市は、ディーゼル車走行禁止を求めるNPOに対し、「幹線道路を走行禁止にしたら、対象車は裏道に迂回して排気ガスをまき散らし、かえって大気が汚染されてしまう」と反論し、走行禁止を防ごうとしていた。ゾーン的に禁止すればこの問題は避けられるわけなので、エッセン市側の作戦が、面的な禁止を招いた要素もあるのかもしれない。

 しかし、それより衝撃が大きかったのが、アウトバーン40号線も禁止の対象とされたことである。これまでも、粒子状物質PM10の汚染を低減するために、汚染が激しい地区に「環境ゾーン」が設定され、古い車の走行が禁止されていた。しかし、域内を物資が自由に移動することを目ざすEUの理念により、アウトバーンは規制対象から除外されていた。エッセンへの判決は、このアウトバーンも対象にするという、初の判断を示した。

 判決が求めた規制が、直ちに実施されるわけではない。判決によると、まず来年2019年の7月からユーロ4基準の車が、9月からはさらにユーロ5基準の車の走行が禁止され、最新の基準であるユーロ6に適合する車は対象から除外される。もちろん、これは一審の判決であり、被告のエッセン市や州が控訴の準備を進めているので、実際に規制が行われるのは、その判断が出された後になる。エッセンでは、連邦のモデル都市として公共交通による窒素酸化物対策の社会実験が行われることになっている。この社会実験が成果をあげたら走行禁止がなくなる可能性があるので、市は社会実験に全力をあげるものと予想される。だから、走行禁止の結論が出るまでには、もう少し期間が必要である。

| アウトバーンや交通規制 | 22:19 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

クリスマス市場のテロ対策に苦心する都心商店街

 今日から11月だが、ドイツ商店街で最大のイベントである「クリスマス市場」は、11月末から始まる。すでに、クリスマスの準備に関するニュースがいろいろ流れている、照明をどうするかとか、費用をどう捻出するかなど、懸案には事欠かない。そのような中で、2016年から新たに加わった懸案が、「テロ対策」である。これは、2016年12月19日の夜、買い物客で混雑したベルリンの市場で起きた、大型トラックが突入し、死者12名を出すテロ事件を受けたものである。

 昨年も、各市はいろいろな方法でテロ防御線を設置した。そのなかでもユニークさで評判となったのが、ボーフムのクリスマス市場である。下の写真のようなもので、日本のテレビ局も取材に訪れたそうなので、この写真に見覚えがある方もいらっしゃるかもしれない。天候に影響されない特殊な紙で砂の袋を包んでおり、これを見て「贈り物をたくさん買おう!」と張り切った買い物客もいることだろう。

2017年クリスマス市のために特別に作られた、砂の袋を包む贈り物の包装紙。歩行者空間の入口に置かれている。(Der Westen紙より)

 ボーフムはできれば今年もこの方式を続けたかったそうだが、無理になった。トラック突入実験などを行って検討された結果、砂袋では防御が不十分だとわかった、ということである。代わりに使用されるのが水を入れたタンクだが、砂袋とは違い、包装紙に合わないので、昨年の方式は断念された。現在、どのような対応が可能か検討しているそうである。今年のボーフムのクリスマス市場は11月22日(木)から始まるので、それまでには明確になることだろう。

デュイスブルクの都心商店街をまもるために設置された、1000リットルの水タンク。(2017年9月撮影)
 ボーフムの西側にあるデュイスブルクは、2017年の夏から今年の初夏まで、その水タンクを設置していた。右のようにタンクが直接見えるもので、見栄えはあまり良くない。そこで、デュイスブルクは今年のクリスマスまでに、ポールを設置することに決めた。9月始めから工事に入る予定だったが、遅れている。市によると、地下の配管を正確に調べることが必要になったためらしい(事前にわからなかったのだろうか?)。このクリスマスには間に合わないので、地中に深く埋めるのではなく、浅い位置に埋めるポールで済ますことになった。いかにも応急策という感じがする、赤白のポールである。来年はスマートなポールに変わると、期待していいだろう。

 他の都市も、いろんな方法で都心歩行者空間をまもろうと工夫している。コンクリートの塊を置く都市、水タンクを使う都市、あるいは恒久策として地中深くにポールを埋め込む都市と、いろいろである。もちろん、テロを防止しようと努力している点は、どの都市にも共通である。

| 中心市街地や近隣供給 | 20:15 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

提訴が迫るオーバーハウゼンは窒素酸化物対策に躍起

 少し前から、オーバーハウゼンが窒素酸化物対策を躍起になって進めている。もちろん、それには理由がある。明日から11月だが、環境関連NPOのドイツ環境援助が、11月に入ると多くの都市に対して窒素酸化物対策としてディーゼル走行禁止を求めて提訴することを予定しており、その対象にオーバーハウゼンも含まれているとわかったからである。

 すでに紹介したように、NPOのドイツ環境援助は、デュッセルドルフとシュツットガルトに関し、連邦行政裁判所で「現行法の下でも、ディーゼル車走行禁止を実施することはできる」という判決を手に入れている。以前からディーゼル車走行禁止を考えていたドイツ北部の大都市ハンブルクは、すでに2つの道路でドイツ初のディーゼル車走行禁止を開始しているそうた。

ピンク色の道路がオーバーハウゼンと周辺のアウトバーン網で、赤色が2つのアウトバーンを南北に結ぶミュルハイマー通りである。
 よもやま通信都市で、排気ガスが最も問題になっているのは、窒素酸化物削減の社会実験を行う連邦モデル都市に選ばれたエッセンである。アウトバーンが縦横に通るオーバーハウゼンの市街地では、エッセンほど車が多い印象は受けない。しかし、一つ弱点がある。それが、東西に走る2本のアウトバーンを南北に結んでいるミュルハイマー通りである。アウトバーンを降りて市内に向かうため、あるいは南と北のアウトバーンを結ぶために、多くの車が走っている。ここに置かれている窒素酸化物測定機による年平均値は、このところ48μg前後である。許容値は40μgなので、2割のオーバーである。交通事故も多く、以前から対策が議論されており、すでにトラックが4時間の間、通行禁止とされている。

 ドイツ環境援助からの提訴に対し、現在考えられている対策の目玉は、このトラック走行禁止を4時間から24時間に拡大することである。数年前から話題となっているが、商工団体などの反対で、まだ実施されていない。それ以外の対策は、電気自動車の普及、公共交通と貸し自転車に力を入れる、自転車道の整備など、以前から行っているもので、さらにどの程度の効果が得られるか心もとない感じもする。

 トラック走行禁止にも、弱点が一つある。ミュルハイマー通り沿道に用事があるトラックは通行が許されているので、実施には効果的な監視体制が必要になることだ。オーバーハウゼンの警官は新しい州政府によって少し削られており、財政不足で市職員を削減しているオーバーハウゼン市にとり、この作業は容易ではない。自動監視機の利用が考えられているそうだが、十分な効果を見込めるか、不安もある。NPOによる裁判がどう進むのか、これからも紹介していきたい。

| アウトバーンや交通規制 | 20:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

ミュルハイム都心の高架自転車高速道はEVが弱点

 最近、ミュルハイムでよく流れるニュースが2つある。一つは市長の汚職のような行為である。金額は少ないが、市長は職務を継続する姿勢で、混迷している。そしてもう一つが、自転車用エレベーター(EV)の故障である。以前、ルール自転車高速道路でミュルハイム中央駅とエッセン都心が結ばれたことを紹介したが、その後、工事はミュルハイム中央駅から西のデュイスブルク方向へと続けられていた。そして昨年秋に、中央駅からルール川までの約650mが開通に漕ぎつけた。

ミュルハイム都心を高架で通過する自転車高速道。旧鉄道の高架橋をそのまま利用しているので幅員が十分なく、この部分は緩速区間とされている。(2018年撮影)
 右の写真が高架の自転車高速道から都心側を眺めたもので、左奥の白い建物の手前には、市役所前広場がある。できれば走っている自転車の写真も撮りたかったのだが、見あたらなかった。現在のところは少し先のルール川で行き止まりなので、利用価値が少なく、走る姿はあまり見られない。橋では、すでに工事が進んでいる。橋を渡って少し進むと大学があるので、いずれ大学生が自転車で走る姿をよく目にするようになるだろう。

 自転車高速道には、出入りするポイントが設置されている。ミュルハイム中央駅にはランプ(斜路)があり、エッセン方向の自転車がよく出入りしている。しかし、都心にはランプを設置する余裕がない。そこで、自転車用のエレベーターが設置された。当初は順調に動いていたようだが、この初夏あたりから、故障のニュースが流れるようになった。ドイツでは若者によるバンダリズム(破壊行為)が日本よりはるかに多いので、「また若者のいたずらかかな」と思っていた。ところがニュースを読むと、故障が中心らしいことがわかった。エレベーターに閉じ込められ、消防に連絡して救出された、というような内容が複数あったからである。3日間に2回停止したことや、修理に期間がかかって80日間停止したこともあったそうだ。

閉じ困られた人を救出するために無理にドアをこじ開けたため、外側ドアの左上が変形してしまったエレベーター。(Der Westen紙より)

 それでも3日前に、「バンダリズムがエレベーターを運行できなくした」という記事が掲載された。やはりバンダリズムか、と思っていたら、翌日に訂正記事が出た。エレベーターに閉じ込められた人を救出した時にできた傷だそうだ。エレベーター修理の際に、管理会社が鍵を付け替えたが、新しい鍵がまだ消防に届けられていなかったようだ。中の人が脱水症状になって危険なので、やむを得ず工具を使用して無理に開け、その時にドアが変形したらしい。いつ動き出すか分からないそうだが、修理費用もかなりかかるだろうと思う。

 上の写真を撮影した時、私は中央駅からバスに乗ろうとしていた。待ち時間が30分以上あったので、時間を有効に活用しようと、自転車高速道に入り、市役所前広場まで歩いた後、来た道を歩いて戻った。だから、エレベーターを利用することなど、考えもしなかった。今後も、都心で高架の自転車高速道へ上がりたいと思っても、エレベーターに乗るのは遠慮するつもりだ。もちろん、閉じ込められたら大変だからである。

| 自転車や歩道・舗装 | 21:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

バス停での事故をなくせ - ドイツでは注意や徐行の義務

 8月末に、横浜市で、停車中の市営バスの後ろにある横断歩道を横断中の小学5年生が、反対方向から来たワゴン車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生した。バス停は交差点の角にあり、横断歩道と5メートル程度しか離れていず、バスは交差する道路と横断歩道をまたいで停車していたそうである。バスで横断する生徒が死角となり、ワゴン車から見えなかったのではないかと考えられている。現地をグーグル地図で眺めたが、バス停の位置にも、複雑な交差点と横断歩道の関係にも、驚いた。たしかに「危険なバス停」である。その後、バス停や横断歩道を改善できないか、検討されているそうだ。

 ドイツでは、バス停脇の歩道に待合所が置かれるのが普通で、事故があった「三ツ沢南町停留所」のように、バス停を示す標識があるだけという例は少ない。しかし、歩道と待合所が整備されていても、バスを降りてすぐに反対側に横断する状況はやはり生じる。だから、日本と同じように、停車中のバスのために道路を横断する人が見えず、危うい状況が生まれることがある。

エッセン市の北部にあるこのバス停の標識板には、「とくに注意が必要なバス停」であることを示す「赤い三角形」が付けられている。標識板背後の歩道に見えるのは、バスを待つ客のための待合所である。(Der Westen紙より)
 ドイツの交通規則には、停車中のバスから降りて道路を横断する人を保護する規定がある。この規定は、全てのバス停を対象とするものと、とくに注意が必要なバス停を対象とするものの、2段階構成となっている。

 まず一般規定によると、バスがバス停に停まっている場合、車は対面方向を含み、注意して走行しなければならない。さらに、乗降客がいる場合、車は歩行速度で徐行しなければならない。私が車の免許をとるために交通規則を学んだのは40年以上前の話だが、日本にはバス停周囲での駐車を禁止する規定はあったが、注意や徐行に関する規則はなかった、と記憶している。

 次に、とくに注意が必要なバス停の場合である。「とくに注意が必要」とされるのは、近くに学校、保育所、高齢者施設などがあり、子どもや高齢者の乗降が多いバス停である。たとえば全市に1300箇所ほどのバス停があるエッセン市の場合、要注意と判断されているのは33箇所である。こう判断された停留所には、写真のように、標識板に「赤い三角形」が記されている。バスの運転手は、停留所に三角形を認めると、停車の少し前に警告灯を点滅し始める。点滅は停車中も継続し、発車の際に消される。そして、周囲をバスと同じ方向へ走っている車は、この「警告灯の点滅」を認めた場合、歩行速度で徐行し、バスを追い越してはならない。バスが停車したら追い越してもいいが、乗客に危険がないように歩行速度で徐行し、十分な間隔をとる必要がある。反対方向を走る車についても、同じく徐行の義務がある。

 警告灯点滅時における周囲の車の行動への規定は比較的新しいものだそうで、ドイツにも知らないドライバーがかなりいるらしい。だから、警察も啓発活動が必要だと認めている。ユーチューブには、警告灯点滅時の運転法を示す動画がアップされている。バスの警告灯が点滅し始めると、車のスピードが遅くなることがわかると思う。違反すると反則金70ユーロで、さらに点数も付くそうである。

 さて「三ツ沢南町停留所」だが、近くに高校があるが、そこには「翠嵐高校前」というバス停がある。だから、高校前バス停は「とくに注意が必要」な停留所になるだろうが、「三ツ沢南町停留所」は無理だろう。それでもドイツの一般規定では、バスがバス停に停まっている時は対面方向でも注意が必要で、乗降客がいたら歩行速度で徐行する義務がある。だから、運転手が交通規則を守っていたら、ドイツではこのような事故は起きないはずである。バス停や横断歩道の位置も問題だが、交通規則も検討してみる価値がある、と思う。

| アウトバーンや交通規制 | 14:54 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

| PAGE-SELECT | NEXT