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新たなアスベスト発見で「白い巨人」爆破が大幅延期へ

 春に、「白い巨人」1棟目の爆破が9月3日に決まったことを伝えたが、それが大幅に延期されることになった。延期の原因は、新たなアスベストの発見である。これまで行っていた調査が不十分だったことは確かだが、単純に「見落としていた」ということではない。アスベストの探索技術が向上し、それを適用して再調査した結果、新たに発見されたのだそうである。

新たなアスベストの発見で作業が中断している、爆破予定の「白い巨人」。(Der Westen紙より)
 これまで行われてきた爆破準備は、2年前に提出された報告書に基づくものであった。その後、新たなアスベストの分析規定と、その分析手続きがつくられた。そこで、念のために再調査を行った結果、これまでアスベストがないと思われていたパテにもアスベストが混入されていることがわかった、ということである。これからアスベストの除去方法を検討し、除去作業を実施した後に爆破されるので、早くても来年になる、ということである。

 もちろん、この問題はデュイスブルクの「白い巨人」に限られず、ドイツ全土で起きている。他都市でも、解体作業が中断した高層ビルがあり、問題になっているそうだ。逆に言うと、過去には、アスベストを含んだパテが残っている建物を爆破した可能性があるわけで、少し気味が悪い。

 市にとっては、建物取り壊しの費用が増加することも、頭が痛い。州が取り壊し費用の80%を補助することになっていたが、今後発生する追加費用については、州との再交渉が必要になる。この点で微妙なのが、5月中旬に行われた州議会選挙の結果、州政権が、SPD(社会民主党)と緑の党の連立から、CDU(キリスト教民主同盟)とFDP(自由民主党)の連立に転換する見通しになっていることである。まだ連立協定の交渉中だが、ルール地方を、SPD政権時代のように優しい眼で見てもらうことは期待できない。近年、ルール地方に州と連邦から多額の補助金が流され、「白い巨人」の取り壊しもようやく動いたという経過がある。動き始めた工事が止まってしまうことはないと思うが、いろいろ紆余曲折が生じる恐れがある。とにかく、「白い巨人」は、今後も多くの話題を提供すると予想される。
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| 人口減少や住宅 | 23:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「白い巨人」の爆破日程が9月3日(日曜)に決定

 以前からこのブログで伝えてきたデュイスブルクの「白い巨人」で、昨年から準備が進められていた320戸を有す棟のひとつ(図のE棟)を爆破する日程が、この9月3日(日曜日)に決定した。爆破するには、周辺住民の避難や、店舗の閉鎖が必要となる。土曜日の夕方に行うことも可能だが、ドイツでは店舗は原則的に日曜日の営業が認められていないので、その日曜日にゆっくり爆破することになったのであろう。

デュイスブルク西部にあるスクラップ不動産「白い巨人」6棟の配置。今回爆破されるのはE棟で、次がB棟の予定である。

 もっとも、「ゆっくり爆破する」とは行っても、実際に爆破にかかる時間は20秒ほどだそうである。その20秒のために、昨年から準備が進められてきており、健康に問題のあるアスベスト板の除去も含まれている。爆破を担当するのは、これまで準備を進めてきた会社ではなく、世界中で建物の爆破を行っている専門の会社だそうである。

 日程の決定を受け、デュイスブルク市のリンク市長は現地で会見を行い、遂にスクラップ不動産の一つが消えることと、跡地に植樹を行うことを発表した。周囲ではショッピングセンターや医療センターの計画も進んでおり、地区の改善にはずみがつくと期待されている。

| 人口減少や住宅 | 17:13 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デュイスブルクの「白い巨人」で爆破の準備が進む

 いよいよデュイスブルク最大のスクラップ不動産「白い巨人」の1棟が消える日が近づきつつある。昨年の春には、「爆破は行われない」と説明されたが、その後に方針が変わり、爆破されることになった。まず下の図の「E棟」が来年夏に爆破され、その後に「B棟」も続くものと思われる。すでに爆破を担当する業者はRebuild-Ing社に決定し、11月に入ると、約20秒かかるという爆破作業の説明も行われた。

デュイスブルク西部にあるスクラップ不動産「白い巨人」6棟の配置。まずE棟が爆破され、次がB棟の予定。

 こうして、12月に爆破の準備作業が始まった。まず行われたのが、E棟の東側にある地下駐車場の取り壊しで、同時に爆破作業を紹介するホームページも設置された。残念ながら説明はドイツ語だけだが、写真や映像が提供されている。そこにある写真の1枚が、下である。この写真は、地下駐車場の取り壊し状況を12月6日(火)に撮影したもので、D棟の北から北方向を見ている。

E棟を爆破する準備として、地下駐車場の取り壊しが進む。左に見えているのが、取り壊されるE棟である。(出所:http://www.diesprengung.de/)

 現在の建物重量は6万5千トンあるそうだが、これから内装などが取り外され、2万5千トンとスリムにしてから爆破される。もちろん、危険なアスベストは、慎重に取り外される予定である。

 爆破が行われるXデーが決まるのは、来年初めだそうである。周囲の店舗が閉まっている土曜日の夕方か日曜日になるそうだが、多数の見物客が来ることだろう。5万人以上が見物に来た例もあるそうだが、「白い巨人」が建つ地区へは鉄道ではアクセスできず、公共交通はバスだけなので、記録更新は無理ではないかと思われる。もちろん、私も日程が合えば見てみたいが、意外にあっけなく終わるはずなので、無理はしないつもりだ。

 なお、ユーチューブで検索すると、ドイツ語の説明しかないが、住棟の周辺や内部(紹介されているのはE棟でなくB棟)、取り壊しの準備作業や、周辺都市にある同じく「白い巨人」というニックネームの16階建て住棟を爆破する6年前の映像が見られるので、紹介する。

| 人口減少や住宅 | 16:35 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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4階建て集合住宅に改修でエレベーターを設置

改修でエレベーターが設置された4階建ての集合住宅。(2016年撮影)
 デュイスブルクの南西部で、4階建ての集合住宅に、改修でエレベーターを設置した例を見てきたので、紹介したい。日本では「集合住宅」というと5階建て以上が普通で、5階建てにはエレベーターがないのが通例である。たとえば福島県営住宅では5階の入居状況が4階以下より悪く、県はエレベーターの設置に努力してきた。ドイツでも人口高齢化に対応するため設置が進められているが、まだ「4階建て集合住宅の改修で設置」した例は知らなかったので、地図を片手に現地を訪問してきた。普通の場合は建物の入口(玄関側)にエレベーターが設置されるが、ここは「入口は建物北側、新設したエレベーターは建物南側」であることも興味を引いた。

 この住宅があるのはデュイスブルクの都心からライン川を渡った「ラインハウゼン」という地区で、同じタイプの住宅が5棟並んでいる。初めて改修を行ったのは一昨年で、その評価が良かったので、昨年、2棟目を行った。それがこの写真の住宅で、入居開始は今年の2月だそうである。最も気になっていたのが、エレベーターに外部から直接入れるようになっている点である。近づいてみたところ、予想通り「鍵穴」があった。

 ちょうど建物から出て来た男性がいて、「何かわからないことでも?(英語に訳すと"Can I help you?")」と話しかけてきた。それで、鍵がどうなっているのか聞いてみた。各世帯に鍵が配布されており、皆使える、ということだった。こういう場所に東洋人が来るのは珍しいためか、「どこから来たのか。居住者か、旅行者か」と尋ねられたので、日本からエレベーターを見に来たと説明した。すると、彼は意外なことを質問した、「日本にはエレベーターはないのか」と。「あるが、4階建てにつけられた例は知らない」と説明し、何とか納得してもらった次第である。

 この住宅を所有しているのは「ラインハウゼン住宅連盟」という住宅組合で、100年近い歴史を有す。最近は住宅のバリアフリー化や断熱などの質的向上に力を入れており、道路の反対側にある5階建ての集合住宅は、数年前に改修を終えている。最近は、戦争直後に建設し、間取りも古くなった建物を取り壊して新築する事業にも取り組んでいる。この4階建て住宅の場合は、規模が約100平米あるので、改修で対応したものと思われる。エレベーターを南側に設置したのは、改修費用を節約し、住宅をあまり狭くしないで済むからのようだ。8戸でエレベーターを1つ共同利用するのはもったいない感じもするが、快適に生活できることだろう。

| 人口減少や住宅 | 21:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デュイスブルク市が遂に白い巨人2棟を入手、取り壊しへ

 白っぽい色の高層住宅の愛称である「白い巨人」のなかでも、とくに有名なのがデュイスブルクにある。以前も紹介したように、21階建て160戸の住棟が3棟、その倍の320戸の住棟が3棟の計6棟が並び、全体で1,440戸と、壮観である。建設された1970年代は評判が良かったが、老朽化が進み、住宅余り時代の現在は、取り壊しが課題となっている。取り壊すには、市が所有権を入手することが前提となる。先週19日に行われた競売で、市は320戸の1棟を落札した(図のB棟)。同時に、7月末に同じ320戸のE棟を契約で入手していたことも、発表された。取り壊して公園にするという市の計画にとり、まずは順調なスタートである。

デュイスブルクのスクラップ不動産「白い巨人」6棟の配置。市が今回獲得したのはB棟で、E棟は少し前に入手していた。A棟は管理状況が良く、F棟は改修されて「赤い巨人」と呼ばれている。

 「白い巨人」のなかでも老朽化が最も進んでいるB棟は、「ドイツ最大のハト小屋」と揶揄されていた。改修して賃貸するとしても、取り壊して土地を売却するとしても赤字になる。それにもかかわらず、市以外に2つの業者が競売に参加し、値段のつり上げが行われたため、市は255万ユーロで落札することとなった。この価格はほぼ地価に相当するが、取り壊し費用が300万ユーロと見積もられているので、高い買物になった。これを可能にしたのが、このプロジェクトで市を背後から支援している州の存在である。財政赤字に苦しむデュイスブルク市単独では、絶対に無理な落札だった。

 それよりも驚いたのは、7月末に交渉で市がE棟を入手していたという事実である。そこには、「日本では絶対に無理だ」と考えられる、あるトリックの匂いがする。2010年頃、E棟の所有者は、市に買い取りを求めて交渉したが、当時は州の支援がなく、交渉は停滞した。防火改修を迫られていた所有者はしびれを切らし、2010年末に、改修費用を節約するため、残る入居者をC棟に移す等で空き家にすると発表した。こうして、2011年半ばにE棟も空き家となった。そのまま放置されるのかと思っていたら、実は2013年半ばに密かに売却された。購入したD社は「改修して賃貸する」と発表し、「住宅の需要がない」という理由で取り壊しを主張している市に、協力を要請した。さらに2014年3月には、改修工事の認可を申請した。そして、ここからが日本とドイツの違いである

 日本では建築確認申請が提出されると、35日以内に可否を決定しなければならない(建築基準法第6条)。しかも、申請先は建築を予定している市の建築担当でなく、民間の指定資格検定機関でいいので、所有者が「改修」を進めようと決意した場合、市は傍観するしかないだろう。一方、ドイツでは当該市に建築認可を申請しなければならず、決定までの日数はとくに規定されていない。大規模な建築物の場合は数ヶ月から半年程度かかるのが普通である。

 そして、この「白い巨人」E棟の場合、市は「検討中だが、まだ資料が全てそろっていない」とコメントするばかりで、いつまで経っても建築認可の決定は出されなかった。決定できない理由に関する詳しい説明は行われず、建築認可がないのでD社は工事に取りかかれず、時間だけが経過していった。

 そして、今回の「市が購入した」という発表である。行政が市民に対して有す力は、ドイツの方が日本より大きい部分もあるのではないか、私はそう思っている。なお、E棟の売買価格は、両者が公表しないと約束したため、明らかにされていない。噂によると、D社の購入価格は50万ユーロだったらしいので、損は出していないものと思われる。

| 人口減少や住宅 | 23:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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