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フクシマがドイツの土地利用計画を変えるか

 このブログでも紹介しているように、東日本大震災、なかでも福島第一原子力発電所の事故は、ドイツでも大きく取りあげられている。現在、ドイツには、17ヶ所の原発がある。以前のシュレーダー政権(SPDと緑の党の連立)の時に段階的な撤退が決定されたが、現在のメルケル政権(CDUとFDPの連立)で、原発の運用を延長することに転換した。だから、ドイツにとってフクシマは大きな関心事で、各地で原発に反対するデモが行われている。

 原発に反対するのはいいが、電気は必要だ。そこで出てくるのが代替エネルギーで、各地でソーラー発電や風力発電が進められている。ドイツを旅行すると各地で発電用の風車を目にするので、風力発電が理解され、伸びているように見える。しかし、実際には、各地で景観や騒音を問題とする反対運動が行われている。今年の2月には、ボーフムで建設途中の風力発電が、裁判により挫折している。

 ボーフム市の北東部に、タワーの高さ100m、羽根を含めると150mの風車が計画され、市が建設を認可した。しかし、それに納得できない居住者が提訴し、工事が進んでいたタワーが取り壊されることとなった。法廷は、高さの2倍の距離が必要だと判断した。高さ150mに対しては300mが必要だが、原告の住宅と風車の距離は270mで、あと30m足りなかったわけだ。風力発電を進めていた会社は、「認可を受け、合法的に進めていたので、認可した市に賠償を請求する」と言っている。

 このようなことをできるだけ予防するため、土地利用計画で風力発電用地を予定するケースが増加している。ところが、この予定地を示すことにも反対が多い。エッセン市の場合、市北部の運河沿いに、発電所と石炭置き場に囲まれた7.3haの用地があるだけだという:ここには風車の建設に反対しそうな住民はいない。他にも候補があったが、示せなかった。その一方で、市の南部には、境界のすぐ外に100mの風車がそびえている。もちろん、エッセン市は反対したが、郡が認めたそうだ。

 実は、原発に反対するエッセン市の緑の党は、隣町の風車にも反対した。しかし、フクシマを受け、もっと風車を建設しようという動きが出てきている。これまでは、風力発電の意義は認めても、具体的な場所の話しになると、なかなか進まなくなっていた。いわゆる「総論賛成、各論反対」である。果たして、エッセン市が風力発電への波に参加することができるか、今後の動きを追っていきたい。
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| エネルギー・地球環境 | 19:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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