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フクシマの子ども100人を沖縄へ

 福島原発の事故は、世界的に大きく注目され、反響を呼び起こしており、ルール地方も例外ではない。そして、今、そのルール地方を中心にして、「フクシマの子ども100人を沖縄へ」という活動が開始されようとしている。

 ルール地方のあるノルトライン・ヴェストファーレン州には、日本とドイツの友好を進めるNPO組織、ノルトライン・ヴェストファーレン州日独友好協会がある。3月15日に、そこが日本への募金を呼びかけた。数千ユーロは集まるだろうと思っていたところ、全国から寄付が寄せられ、すでに8万ユーロに達しているそうだ。そこで、未来を担う被災地の子どもたちを対象としたプロジェクトを実施する方針を立て、さらに寄付を募っている。

 協会は、この夏に、被災地の子ども100人を沖縄に招くことを目ざしている。協会のホームページにアクセスすると、協会ドルトムント支部の代表であるヨーコ・シュルタマンさんが、ドイツ語で募金を呼びかける映像を見ることができる。それによると、日本側窓口は、沖縄ユースホステル協会の福島さんである。両者の間には以前から交流があり、それを生かす形で、今回の大プロジェクトに取り組まれている。もちろんチューターも同行する予定で、心に傷を負っている子どもを癒すため、カウンセラーも考えられている。

 この話しを知り、おそらく「チェルノブイリの子どもを夏休みにホームステイさせる」活動がモデルになったのだろう、と感じた。チェルノブイリ原発事故の後、ドイツでは、夏休みに原発周辺地域の子どもを家庭に受け入れ、放射能の心配がない生活をすごしてもらうプロジェクトが実施されたそうである。

 6月に入ったら、活動が本格的に開始される。私も、このプロジェクトが実現することを願っている。



 このプロジェクトが順調に進んでいるのかどうか気になっていたが、7月21日の毎日新聞に、「沖縄県ユースホステル協会は、福島県の小中高生を沖縄に無料招待し、27泊28日程度にわたって過ごしてもらう。定員100人の募集に約780人から応募があり、参加者を16人増やした」という記述を見つけた。早速、沖縄県ユースホステル協会のホームページを探したところ、日独友好協会の活動であることを確認できた。協会に加え、ドイツのいろいろな方の協力があったことも記されている。これまで親に「外で遊んではいけない」と言われ続けてきたフクシマの子どもが、夏をのびのびと過ごせるに違いない、ありがたいことだ。
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| ドイツと日本と | 16:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ブロンズ像受難の時代 - 止まらない金属盗難事件

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ルール川そばの緑地に置かれていた射手のブロンズ像
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救出された姿(写真はいずれもミュルハイム市のホームページより)
 金属、とくに銅の価格が高騰している影響で、ドイツ各地で金属の盗難が続いている。ルール地方もその例外ではなく、マンホールの蓋、電線、教会の装飾、そして公共の場に置かれたブロンズ像など、いろんなものが犠牲となっている。

 ミュルハイムで、5月4日の朝、ルール川そばの緑地に置かれていた射手の彫刻がなくなっているのが発見された。ミュルハイム出身の彫刻家ヘルマン・リックフェルトによる1935年の作品で、重さが約1.5トンもある。この重さから考え、犯行は数名のグループで行われたと思われる。2月には、デュイスブルクでも公園に置かれたパンドラの彫刻が盗難に遭い、3月には同じデュイスブルク西部の工業団地に置かれていた4つの彫刻が消えた。いずれも、その後の行方は不明である。

 このような経過から、ミュルハイム市も、彫刻を市の財産から消去する処理を行った。ところが、5月7日に、ミュルハイム市南部の森を自転車で通っていた人が、彫刻らしいものを発見し、警察に連絡した。そして、消えた射手のブロンズ像だと確認され、直ちに回収された。すでに地金にされる作業の途中で、顔の半分と左手がなくなった痛ましい姿で救出された。

 「射手」と題されるこのブロンズ像には弓がないため、手の動きが何となく不自然である。作成された時は、弓を持っていたそうだ。当時は第二次大戦の前で、戦争の進行に伴う資源不足に苦しんだドイツでも、日本と同じく金属の供出が行われ、市内のゲーテ広場に置かれていたこの像も、地金にされるためハンブルクに送られた。幸い、戦後ハンブルクで発見され、ミュルハイムに返還されたが、その時は弓が消えていた。

 補修は、費用はかかるが、可能だそうだ。弓も、持たせる方針が決まれば、回復することができる。問題はその先にある:市民がどのような方法で彫刻に触れるのか、である。費用がかかる24時間監視を行うのは無理で、盗難を防ぐために収蔵庫にしまい込むわけにもいかない。美術館に置く方法もあるが、市民が触れる機会は大きく減る。この問題には、どの都市も頭を痛めている。

 そういえば、ニューヨークが、オフィスだけでなく住宅もあり、いつも人の気配がある「24時間都市」をめざしている、という話しを聞いたことがある。夜も眠らず、いつも人の目がある「24時間都市」なら、盗難にも遭わないかもしれない。日本なら「コンビニ」のそばが有望かもしれないが、営業時間の制限が緩くなっているものの日曜営業が望めないドイツでは、無理である。

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道路の起工式をめぐって政治家が賭け

 ドルトムントの東部にあるブラッケル区では、10年近く前から、バイパス建設が議論されている。このバイパスの起工式について、区評議会のCDU(キリスト教民主同盟)会派が、SPD(ドイツ社会民主党)の州議会議員に、賭けを申し出た。賭けの内容は、「現在の州議会任期(2015年5月まで)中に起工式が実施されるかどうか」で、金額は100ユーロ(現在のレートで約1万2千円)である。SPD議員は、「本来このテーマは賭けをするようなものではない」が、引き受けることにしたそうだ。

 ブラッケル区では、以前から、区の中心部を通る道路の負担軽減が問題となっていた。州道として計画されているバイパスが建設されれば効果が期待されるが、そのバイパスは、現在、環境アセスメントが進められている段階で、その後に計画確定手続きが待っている。今後の障害と考えられるのが、現在、区でも州でも、SPDと緑の党が連携を組んでいることである。

 ブラッケル区評議会では、第一党がSPD、第二党がCDUで、第三党が緑の党である。ここではSPDと緑の党が協定を結び、過半数の議席で区の懸案を処理する体制を組んだ。バイパス建設について、SPDとCDUは推進の立場だが、緑の党は反対の立場をとっている、そこで、SPDは緑の党との連携に配慮し、区評議会としては建設推進の動きが凍結されている。

 パイパスは州道なので、州の政策が重要となる。州では、2010年6月選挙後の政権樹立が迷走し、7月入り、ようやくSPDと緑の党による少数政権が成立した。州議会の181議席に対し、両党を合わせて90議席で、過半数には1議席が不足する。いずれにせよ、緑の党が政権に参加しているので、道路建設のテンポは加速されにくいと考えられる。

 そのブラッケル区で、4月中旬に、教会関係の団体が、各政党のメンバーを招いた討論の夕べを主催した。もちろん、バイパス建設も話題となり、SPDから呼ばれた州議会議員が、「今期中にも、大臣と共に起工式を行えるだろう」と述べた。そこで、CDUが賭けを申し込んだわけだ。CDUもパイパス建設を推進しているが、「SPDが緑の党と協定を結んでいる状況では、簡単には進まないだろう」と考えているものと思われる。

 で、私は、「多分SPDの州議会議員が100ユーロ支払うことになるだろう」と思っている。ドイツのニュースを見ていると、物事がなかなか進まないので、「そんなに早く進むはずがない」と感じられるからだ。2年前にも、市と州が共同で推進している国道の地下トンネル化が、裁判で止められる事件があった。国道沿道の居住者が待ち望んでいた工事だが、計画を知らずにトンネル入口そばの住宅を購入した居住者が訴え、勝訴した。その後の報道によると、市は、何とかトンネル計画を復活できないかと検討しているようだが、まだ光を見出せていない。

| アウトバーンや交通規制 | 17:53 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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