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拡大する新たな道路騒音対策 - ささやくアスファルト

 数年前から、「ささやくアスファルト」という言葉が報道されるようになった。これは「騒音最適化アスファルト」の愛称で、ボーフムのルール大学で開発された騒音の少ない多孔質アスファルトである。車種によって異なるが、騒音が5デシベル前後小さくなるそうだ。そして今、ドイツで最も人口が集中し、そのため道路騒音が問題となっているルール地方で、この「ささやくアスファルト」が広がりつつある。

 ささやくアスファルトが普及するきっかけを提供したのは、リーマン・ショックに始まる世界経済危機である。それまで慎重な財政運営を行っていたドイツ連邦政府も、景気刺激策を行うことに同意し、市町村に景気対策資金を提供した。最終的な資金の使途は市が判断するようで、市議会や区の評議会で議論されている。デュイスブルクでは、各地の商店街で歩行者空間の整備が行われた。そして、ドルトムントでは、重点のひとつがこの「ささやくアスファルト」に置かれ、騒音が問題となっている区間約20キロの整備が計画された。すでに多くの区間では整備が完了しており、年内に全て終わる予定になっている。

 問題は整備の効果だが、ドルトムントでは、現在、騒音カルテとして示す準備が環境局で行われているところである。土木局の道路維持部門によると、「評価する声が寄せられており、市単独事業でもささやくアスファルトを採用するか検討しているところである」という話しだ。

 さて、道路騒音といえばやはり問題となるのはアウトバーンである。アウトバーンでは州が費用を提供し、ルール地方を東西に結ぶ40号線で、ささやくアスファルトのテストを開始している。そして、今月になり、ミュルハイム北部の一部で整備が完成した。報道によると、住民から一定の評価する声が寄せられているようだ。

 騒音に悩んでいる住民は、日本にも多い。まだ日本では「ささやくアスファルト」とか、「騒音最適化アスファルト」という言葉を耳にしたことがないが、ルール地方の経験に学び、騒音低減に努力してほしいと希望する。
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| 居住環境や緑・公害 | 18:25 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ミュルハイム中心市街地の通行量が3分の1に急減

 ドイツでは、毎年春に、商業コンサルタント会社Jones Lang LaSalleが、土曜日昼間の1時間に中心市街地を通行する人数を測定し、発表している。今年も4月16日(土曜日)の13~14時に、全国170箇所のトップ商店街で通行量が調査され、主な結果が8月始めに発表された。もちろん、その中には、「よもやま通信」対象都市も含まれている。そして、今年、最も大きな変化が判明したひとつがミュルハイムの中心市街地、シュロス通りである。LaSalle社は、記者発表の最後の部分で、ミュルハイムに触れている:「・・とミュルハイムのシュロス通り(1,100人)、・・・は、過去10年との比較で吸引力を失った。そこでは長期平均の半分以下になっている」と。

 ミュルハイムの過去のデータを調べてみた。その結果、2008年が2,070人、2007年がちょうど3,000人で、2000~2006年の平均は3,629人であることがわかった。2009年と2010年のデータは不明だが、ここ数年で通行量が大きく減少していることはわかるだろう。

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ミュルハイムの中心市街地シュロス通り。正面に見えるのが、閉店したカウフホフ(2010年)
 さて、ミュルハイムのシュロス通りは、もともと「2核1モール」という、理想的な形を有していた。東端の駅にフォーラムというショッピングセンターがあり、西端にはデパートのカウフホフがあって、その間の約400メートルを歩行者専用空間が結んでいる。

 しかし、同時にミュルハイムには郊外型のショッピングセンターもあり、市は「郊外のセンターも、都心も」という政策を進めていた。さらに2008年秋には、郊外に中規模のショッピングセンターが加わった。このためか、フォーラムで最大規模の面積を占めていたファッションを扱う衣料品店(7,000㎡)が2009年2月末に閉店した。そして、2010年には、遂にカウフホフが5月末で閉店した。今回の通行量調査に最も影響が大きかったのが、このカウフホフの閉店である。

 日本では、「中心市街地に金をつぎ込んでも、なかなか成果がわからない」として、数値目標が求められている。ドイツの状況は少し異なるが、通行量は商業の重要な指標である。ミュルハイムの状況は、郊外店の開発を手助けしていては、中心市街地の活性化が困難なことを示すものであろう。

 ところで、ルール地方で最も多くの通行量を記録したのは、今年もドルトムントの西ヘル通りで、全国9位の9,905人だった。ドルトムントは、ドイツにおける商店街トップテンの常連である。ただ、現在、都心にショッピングセンターが建設中で、秋にはオープンする。郊外のショッピングセンターを拒否し、都心にショッピングセンターを招いた形だが、果たして吉と出るのか凶になるのか、今後の動きが興味深い。

| 中心市街地や近隣供給 | 15:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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