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究極の都市農業、インファーミング

 都市内の建物屋上で農業、こういう構想がオーバーハウゼンのフラウンホーファー研究所で展開されている。フラウンホーファー協会はドイツ各地に研究所を有すが、オーバーハウゼンには「環境・安全・エネルギー技術研究所」がある。そして、ルール地方の約50キロ北東にあるミュンスター市がこの構想に関心を示し、屋上に温室を設置し、サラダを栽培することを検討中、という話しだ。

 この構想には、いくつもの長所がある。最大の長所は、都市と農村の空間競争を調和させ得ることだろう。先日、世界人口が70億人を超えたが、人の居住空間と農地は競合関係にあると同時に、農業なしには人は生きられないという関係にある。だから、経済性の面から農地が宅地に転換している現状には、問題がある。また、都市内で栽培するため、輸送が少なくて済む。スーパーの屋上で栽培し、そこで販売することも考えているそうで、究極の「地産地消」である。

 既存の建物は、屋上で農業を行うことを想定していない。土を用いると重くなるので、水耕栽培を行う。そのための水は、建物排水を浄化して得られる中水を利用する。また、冬季には建物の廃熱を利用する。このように、「持ちつ持たれつ」の関係が可能である。

 この種のアイデアは以前からあり、すでにニューヨークには実例があるという話しだ。費用を考えなければ簡単に設置できるが、問題は採算が成り立つ社会システムとして普及させることができるかどうかであろう。

 日本には、都市のヒートアイランド対策として、屋上緑化を義務付けている都市もある。また、各地には「環境共生住宅」が建築されている。このインファーミングを、屋上緑化の選択肢として認め、究極の都市農業として育てていくことを提案したい。いろいろ困難もあるだろうが、克服できないことはないはずである。
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| 居住環境や緑・公害 | 14:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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