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財政再建のため「スピード違反記録装置」の設置を計画

 このところ、ルール地方では財政再建の議論が花盛りである。とくに、ハンネローレ・クラフト下の市財政で紹介した「アメとムチによる赤字削減」の対象となっているオーバーハウゼンとデュイスブルクでは、改善計画提出の期限が近づいている。どの都市でも、インターネットを活用し、市民が財政削減提案を行えるようにされた。「財政再建」は待ったなしの課題なので、ある市では、市が提案した削減項目に反対する場合は、それに変わる削減案を提示するシステムだったそうだ。

 削減案を決定するのは市議会になるので、どの市でも政党が行政提案を検討し、野党による代替案の提出も行われている。デュイスブルク市では、野党から、「スピード違反をレーダーで自動的に記録する装置を設置し、反則金を徴収することで、年25万ユーロの収入を確保する」という案が出された。もちろん、この案の第一の目的は交通事故の防止で、「同時に」財政貢献を期待できる、と説明されている。

 実は、デュイスブルクでスピード違反記録装置の設置が提案されるのは、これが初めてではない。すでに2010年に、市議会で装置の設置が認められていて、この時は年178万ユーロの収入が予定されていた。これは、アウトバーンにも設置を予定していたためだと思われる。しかし、この「アウトバーンに設置」することを州が認めず、話しが立ち消えになっていた。理由は「連邦のアウトバーンに対して固定的な取り締まりを行う権限は、市にはない」ということだそうで、市側はこの理由に納得していない。アウトバーンは原則的にスピード制限がないので、そこでいつも取り締まりを行うことを嫌がったのかも知れない。

 今回は、アウトバーンでなく、一般的な連邦道路に設置が計画されている。果たしてこの案が市議会を通過し、州も認めて首尾良く装置を設置できるのか、また、設置できた場合にどの程度の財源となるのか、興味をもって観察したい。なお、この装置は「シュターテンケステ」という名称で、ドルトムントでは連邦道路にも設置されたいたはずである。
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| 市財政や税金問題 | 08:21 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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広さの単位と「日本住宅はウサギ小屋」論 - 畳数と平米

 ずっと前、マスコミに「日本の住宅はウサギ小屋」と大きく取りあげられたことがある。これは、欧州共同体(現在の欧州連合)の委員会内部資料に、日本が「西欧人から見れば、ウサギ小屋に毛の生えたような家に住む働き中毒の国」と書かれていたためである。最近になり、ウサギ小屋の原語は都市型の集合住宅を意味するフランス語「lapin」で、英語へ訳す際の誤訳と考えられるという説を発見し、なるほどと思った。実は、住戸規模を比較すると、平均100平米弱の日本はアメリカよりは小規模だが、欧米諸国とはほぼ同じだからである。ただ、持家と借家の格差が欧米諸国より大きく、持家は日本の方が規模が大きく、借家は逆に小規模な傾向がある。

 たしかに、誤訳説には納得させるものがある。しかし、誤訳された英文を読んだ欧州共同体の方もいらっしゃるはずで、その方は疑問に思わなかったわけである。私は、自分の体験から、「これには単位の誤解も関係しているはずだ」と思っているので、その話しを紹介したい。

 私は、ドルトムント大学空間計画学部のある先生(すでに退官されている)を知っている。先生は日本に4回見えており、1回目はお会いする機会がなかった。2回目に見えたのは昭和の終わり頃で、事前に連絡があり、東京まで出て行き、お会いして東京を案内した。

 私は、先生にお会いするため、半蔵門駅の近くにあるホテルを訪問し、ロビーで話しをした。少し話した後、先生から、「日本人は、狭い住宅にどのように住んでいるのか」と質問を受け、どう答えたらいいのかわからず、とまどった。私は、ドイツの住宅を何軒が見ている。たしかに日本よりゆったりしている住宅が多かったが、狭い住宅も知っている。

 私の様子を見て、先生は疑問について説明してくれた。そのうちに、「4とか6平米の部屋は狭いと思うが、日本人はどのようにして住んでいるのか」という意味のドイツ語が聞こえてきた。それでわかった、「畳数」を「平方メートル」と勘違いされているのだ。ドイツの住宅雑誌を見ると、部屋の広さが平方メートルで記されており、居室の場合は10平方メートル未満はあまりない。それなのに、日本人はそれよりさらに狭い部屋に住んでいると思っていらっしゃるようだった。

 そこで、私は「それは畳の枚数で、平方メートルではない」と説明し、先生に納得していただいた。おそらく、1回目に日本に見えた際に、不動産の広告を興味深くご覧になり、そこに6や4.5という数字を多数発見して驚かれたのだろう。国によって生活習慣が異なることが、思わぬ誤解を生んでいたわけで、多彩な国際交流が必要だと感じた次第である。

| 人口減少や住宅 | 10:39 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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