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エッセンのバス・電車が企業チケットで3年間の社会実験

 エッセン市のバス・電車を経営しているエッセン市交通会社が、企業チケット導入による公共交通の社会実験を開始する。「企業チケット」とは、企業の従業員に対し、一般の定期よりも数パーセント有利な定期を提供することである。そして、次のような効果が生じることが期待される。
  • チケットを安く提供する交通会社は、乗客の増加で利益を受ける。
  • 公共交通を利用する従業員は、定期を割引価格で入手することで利益を受ける。
  • 参加企業は従業員用駐車場の必要性が薄れることに加え、従業員に対して会社の魅力を追加できるプラスもある。
  • そして最も重要なことは、公共交通利用者が増加する結果、排気ガスや騒音が減少して環境が改善され、道路整備の費用も削減できることだろう。
 果たして以上のようにうまくいくかどうかを、3年間の社会実験で確かめよう、というわけである。

 この種の企業チケットは、以前からエッセンにあったが、それには「従業員が50名以上の企業」であることが必要だった。割引率は企業の条件によって個別に決められ、6~12%の範囲にある。現在、135の企業が利用し、計1万5千人が利用している。今回の実験は「50名」という条件を外し、チケットを6%割引で提供するもので、小企業も参加できる。ただ商工会議所の会員企業であることが求められるので、この試みを推進してきたエッセン商工会議所には、「会員が増加する」利益が望めそうである。

 今回の社会実験がうまくいくには、多くの企業が参加する必要がある。参加企業では、商工会議所の会員になることに加え、経費も発生する:企業チケットを購入する従業員に、月10ユーロを支払うことになっている。この10ユーロは、企業チケットの魅力を増やし、利用を拡大するための重要なポイントとなるそうだ。果たして3年後に「効果があるので、今後も継続する」となるかどうか、状況を見まもっていきたい。
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| 公共交通 | 10:31 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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デュイスブルク版のホラーハウス、「白い巨人」

 先日、ドルトムントのホラーハウスを紹介した時から、「次はデュイスブルクの白い巨人だ」と思っていたが、多数の新聞記事を読みこなす必要があるので、遅れ遅れになってしまった。さて、この「白い巨人」、ドイツ語では「ヴァイセ・リーゼ」となるが、白っぽい色の高層住宅のことで、こう呼ばれる建物はドイツ各地にある。たいてい1970年前後に建設されており、老朽化が問題になったため、すでに取り壊された例もある。

廃墟となり、フェンスで囲まれている住棟の西から、管理状況が良く、空室もない160戸の住棟を眺める。(2008年)
 「白い巨人」のなかでも、デュイスブルクのものはとくに大規模で、21階建ての建物が6棟並んでいる。2階から21階までが住戸で、エレベーターを囲んで4戸並ぶのが基本ユニットで、20階分で80戸になる。そして、この80戸のまとまりが2つ並んだ160戸の住棟が3棟、4つ並んだ320戸の住棟が3棟の計6棟で、全体で1,440戸もある。

 6棟のうち、現在、320戸の住戸を有す2棟が閉鎖されている。1棟は閉鎖後2年しか経過していないが、もう1棟は2003年に閉鎖されたので、すでに10年になる。写真の手前にある建物がそれで、フェンスで囲まれ、多くの窓ガラスは割れたまま放置されている。

 この建物が閉鎖された原因は、防火規定への不適合だそうだ。改善を命令したが、所有者は工事を行わなかった。所有者は複数いるそうだが、最大の所有者はオランダの会社である。しかし、会社所在地にあるのはポストだけというペーパー・カンパニーで、連絡がとれない。やむを得ず、閉鎖を命令した市が入居者の移転先を探し、転出した後にフェンスを設置する等した。もちろん、市に納付すべき税金も滞納になっている。

 ドルトムントのホラーハウスは11年前から空家なので、その点ではこちらが後輩である。しかし、外から眺めた建物の荒廃ぶりは、こちらの方が上かも知れない。そして、ドルトムントは市が取り壊しに向けて努力しているが、こちらは手の付けようがないようだ。この差を生んだ主因は、デュイスブルクの方が市の財政状況が悪いことと、建物の規模が大きいことだと思われる。だから、こちらの方が解決まで長くかかりそうな気配を受ける。「スクラップ不動産」、その言葉がぴったりする「白い巨人」である。

| 人口減少や住宅 | 08:47 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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