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夏のバカンス期にドイツの公共交通は四苦八苦

 8月はヨーロッパでは「バカンス」、つまり大人も子どもも夏休みのシーズンである。昨年のドイツ旅行では、帰国時にルフトハンザのストライキに遭遇した。今年はストには遭わなかったが、その代わり、公共交通がいつものようには動いていない場面に何回か出会った。6月下旬に各地で集中豪雨があったので、当初はその影響だろうと思っていたが、次第にそれだけではないことがわかってきた。

 まず6月豪雨の影響から説明しよう。ボーフムなどでは集中的に雨が降り、排水が間に合わず、地下室が水浸しになった地区もあったそうで、ホテルの方も「大変だった」と話されていた。しかし、交通面で最も大きい影響を受けたのは、エルベ川の橋のようだ。6月末から、ベルリンとドイツ西部を結ぶ交通、とくに利用開始からまだ10年も経過していない高速路線が影響を受け、ドイツ版新幹線のICE(インターシティエクスプレス)が間引かれたりしたそうだが、その影響がまだ残っていた。今回、旅行最終日の8月14日にICEでフランクフルトに戻るつもりだったが、その列車が、この路線を通らないIC(インターシティ)臨時列車に変更されていた。

 ルール地方とは直接関係しないが、8月10日頃から毎日のようにテレビで流れていたのが、ドイツ鉄道のマインツ信号所が人員不足でマヒする問題である。これまで、「バカンスで長期休暇をとっても、仕事に影響しないように調整している」と聞いていたが、そのシステムがうまく働かなくなった。15名が勤務するマインツ信号所で、5名がバカンスに入るのに加え、病気で3名が休んでいるので、7名体制となり、列車の運行に支障が出る。

 報道によると、駅によって線路に特徴があるため、他の信号所から人を派遣しても仕事をこなせるまでに3ヶ月かかり、意味がない。結局、8月第3週に入ると、ICEなどがマインツを避け、迂回して運行されることとなった。問題の背景には職員不足があり、ルール地方でも超過勤務が増えているので、「ルール地方は関係ない」と安心はできないそうだ。ドイツ鉄道は、今後職員の養成に力を入れると表明していた。もちろん、「バカンス中の職員を戻せ」という意見もあり、あるテレビ番組が電話で賛否をとったところ、59%がそれに賛成した。

ミュルハイム空港停留所。昨年運行を停止した左側の路面電車はレールがさび付き、右側で代行バスが待っている。
 しかし、この旅行中に私が3回も出会ったのが、走っているはずの電車が運行されていず、一部がバス代行になっていたことである。ドルトムント北西部から北ルートの鉄道でボーフムに向かおうとした時、エッセン駅から市南部への鉄道を利用しようとした時、そしてエッセン市内の西部で路面電車に乗ろうとした時、の計3回も遭遇した。始めの件は豪雨に関係する可能性もあるが、エッセン市の2件は、いずれも「交通が減少するバカンス期にインフラを補修するため」の運行停止である。これに加え、私はミュルハイムでも路面電車の代行バスを利用した(写真参照)。昨年、このブログで紹介した問題で、まだどう決着するのか、見通しが立たないままである。

 もちろん、バカンス期には道路の補修工事も各地で行われる。今年はエッセンからミュルハイム南部を経由するアウトバーン52号線の一部閉鎖もあるので、バカンス期にかかわらずルール地方では幹線道路の渋滞がひどい。いすれにせよ、インフラの老朽化が進行している現状では、バカンス期にドイツ旅行をする際は、事前に情報を集め、余裕をもって計画しておいた方がいいだろう。
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| 公共交通 | 11:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドルトムントの西ヘル通りが通行量でドイツ1位?

 よもやま通信6都市で、最も商店街の通行量が多いのが、ドルトムント都心の西ヘル通りである。ドイツでは、いくつかの商業コンサルタントが主要都市中心商店街の通行量を調査しているが、西ヘル通りはトップテンの常連である。これまでの最高は第3位で、毎回のようにトップを争うのは、人口が100万人を超えるケルンやミュンヘンである。ドルトムントの人口は60万人弱なので、「非常に良く健闘している」と言えるだろう。

2012年9月1日(土)13時前後の西ヘル通り。位置的に、LaSalle社の調査地点から約200m東側にあたる。
 ところが、である。今週の月曜日(7月29日)に、Jones Lang LaSalle社が、今年の4月27日(土)の13~14時に行った調査の結果を発表した。それによると、12,950人を数えたドルトムントの西ヘル通りが、初の1位に輝いた。ミュンヘンのノイハウザー通りは11,920人で2位、ケルンのシルダーガッセは11,910人で3位だった。昨年1位だったフランクフルトのツァイルは、10,965人で6位に落ちた。「ドルトムントが1位」というのは意外な結果で、全国紙でもかなり大きく報道されている。

 さて、騒ぎはこれで終わりではない。同じ4月27日(土)に、対象地点数はLaSalle社より少ないが、Engel&Völkers社も11~13時に通行量調査を行っていたからである。その結果によると、ドルトムントの西ヘル通りは1時間に5,556人で、16位であった。この会社の調査では、西ヘル通りは昨年は8位だったので、今年はかなり順位が落ちたわけである。さらにもう一つ、BNP Paribas社も2ヶ月後に調査を行っている。その結果によると、1位はミュンヘン、2位はケルンで、1時間に8,810人が数えられたドルトムントは8位である。

 これら三社は、いずれも商業のエクスパートとされている。たとえ調査が適切に行われていたとしても、時間帯が異なり、調査地点も違う可能性があるので(LaSalle社の調査地点しか報道されていない)、何とも言えない。ただ、この結果から、次の2つのことが言えるのではないだろうか。

1.通行量の順位の変動を一喜一憂する必要はない。調査結果は、長期的に眺めるべきもののようである。
2.ここに説明しているように、西ヘル通りでは、2年前に「ティアギャラリー」という売場面積3万3千m2の都心型ショッピングセンターがオープンした。周囲にマイナスの影響があることも心配されていたが、今のところ大丈夫のようである。

| 中心市街地や近隣供給 | 08:00 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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