2013年10月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年12月

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ますます深刻になる金属泥棒の被害

 市民の憩いのために設置されているブロンズ像が金属泥棒の餌食となった事件を2年半前に紹介したが、この種の盗難事件はその後も拡大する一方で、いろいろ深刻な影響が出て来ている。今日は、デュイスブルクで、「シリアからの難民を収容する目的で進められていた住宅改修の現場から、敷設したばかりの電気ケーブルが全て盗まれた」という事件が報道された。

 工事を進めていたデュイスブルク不動産マネジメントによると、被害額は約2万ユーロ、日本円で250万円程度と多額である。盗んでスクラップ業者に持ち込むのだろうが、一体いくらになるのだろうか。もちろん監視カメラは設置していたそうだが、効果はなかった。盗難の影響で、住宅の完成が3週間ほど遅れる、ということである。デュイスブルクでは、緊急時に市民に急を告げるためのサイレンが整備され、先日テストが行われたところだが、この建物に設置されたサイレンは、電源が失われたため鳴らなかった。

 治安がいい日本から見ていると、金属盗難、落書き、そして放火のニュースが多いことには、ため息が出る。何も生み出さず、社会の無駄だからである。金属泥棒が鉄道のケーブルを切って盗んだため、列車が止まることもある。その手口から見て、鉄道で働いた経験がある者の犯行と考えられるケースが多いそうである。

 なお、数日前から、エッセン駅周辺で列車が徐行し、ドイツ版新幹線のICE(インター・シティ・エクスプレス)が迂回する状況になっているが、これはケーブル泥棒とは関係がない。鉄道の地下に、旧炭田の坑道跡が見つかったためである。現在、大急ぎで空洞をふさぐ工事が行われている。「これまで何十年も列車が安全に通過してきたのだから、通常運行のまま工事しても良いのではないか」と主張する人もいたが、安全重視のドイツ鉄道はそのような方針はとっていないので、安心していいだろう。
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| 町の話題いろいろ | 15:45 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドイツ社民党では候補者の女性比率40%以上が必須

 最近の日本では、「男女共生社会」を目ざし、審議会などに「女性比率の最低限」を決めている県や市町村が増加しているそうだ。しかし、審議会はともかく、県議会や市町村議会は、まだまだ男性優位である。先日、ドルトムントのニュースを読んでいて、SPD(ドイツ社会民主党)は区評議会候補者の女性比率を最低40%と定めており、「それだけの女性候補者を確保できなければ立候補させない」という厳しい扱いをしていることを知った。もちろん、区評議会だけが対象ではなく、連邦議会、州議会や市議会も同じ扱いだそうだ。

 ドイツでは、連邦議会から州議会、そして市町村議会、区評議会までが、原則として「比例代表制」になっており、各政党が候補者リストを示して選挙戦を戦う。ノルトライン・ヴェストファーレン州では、次の自治体選挙までの期間が1年を切り、現在、各党で候補者選定が進められている。ドルトムント市の区評議会は、各19名の議員で構成されている。現在、都心東区で6名と、CDU(キリスト教民主同盟)と並んで最も大きな勢力を有しているSPDは、来年の選挙に7名の候補を立てて戦うことにしている。

 候補が7名の場合、40%は2.8人なので、少なくとも3名は女性でなければならない。ところが、何回呼びかけても候補に名乗り出る女性が不足し、やむを得ず女性2名で党に第一次名簿を提出するしかなかった。都心東区には約160名の女性党員がいるので、同時に全員に対して候補になるよう、最後の呼びかけを行った、もちろん「このままでは選挙に出られない」ことを説明して。幸い、今回は「立候補してもいい」という女性が数名出てきたそうなので、何とか来年の区評議会選挙に候補を立てることができそうだ、という。

 なお、当然のことだが、市の選挙管理委員会によると、女性比率40%はSPD内部の規定であり、市としては全員が男性でも立候補を受け付ける。現在、ノルトライン・ヴェストファーレン州の首相は、ミュルハイム出身のSPD女性議員だが、彼女の政界への第一歩も、この女性比率規定に後押しされたのかもしれない、と思った。

| ドイツと日本と | 07:59 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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市民プール維持のためにスピード違反測定車を追加購入

 来週のデュイスブルク市議会で、レーザーを使用して車のスピードを測定し、スピード違反を摘発するための車を追加購入する案が審議される。スピード違反をなくし、安全で静かな環境を確保する効果があることは確かだが、目的は、市民が署名活動を行って要求したプールの維持を実現する財源の捻出にある。市民の間で1年以上前から問題とされ、署名活動まで行われた結果である。

 問題の発端となったのは、慢性的赤字に苦しむ市町村財政を建て直すために州政府が2011年に打ち出した「アメとムチの政策」である。州が特別な補助金を提供するが、それを受け取るには財政再建計画が必要で、デュイスブルクでも昨年2012年の前半は、支出削減と増税の話題が大きく取りあげられた。その中で、デュイスブルクのライン左岸ホンベルク区にあるコンビプール閉鎖も出てきた。「コンビプール」は愛称で、室内プールと屋外プールが並んでいることを示す。とくに、プールの北側に広い芝生が広がる屋外プールは、市民の憩いの場となっている。学校の授業でもコンビプールが使用されているので、直ちに疑問や反対の声が出され、財政再建計画において、ホンベルク区で最大の争点となった。

 その後、屋外プールは廃止するが、スポーツ連盟が室内プールの運営を肩代わりして残し、学校の授業も行うという妥協案が作成された。こうして2012年6月に財政再建計画が市議会で決定され、反対運動も鎮まったように見えた。屋外プールは、2013年の夏を最後に閉鎖される。ところが、実際に閉鎖が近づくと、反対する市民の動きが再び活発化し、2013年7月に、住民投票を目ざした署名活動が始まった。しかし、すでに議決から1年以上が経過しているため住民投票は無理だとわかり、目標が議会での再審議を求める「市民提案」に変更された。市民提案で必要な署名数は8千と、住民投票を目ざす場合のほぼ半数で済むが、反対派は「住民投票に必要な署名数」を目ざした。

 8月に提出された署名は1万7千人分で、チェックした結果、15,784人分が有効と分かった。この署名数は、住民投票を求めるのに必要な数を超えている。この結果、前年の財政再建計画に賛成した政党の中でも、見直しを求める声が高まってきた。しかし、屋外プールの維持には年30万ユーロが必要で、この捻出が最終的に問題となった。

 こうして出てきたのが、スピード違反規制のためのレーダー車を1台追加購入し、4台体制にする方法である。昨年考えられた方法と異なり、測定点を移動できるので、事故と公害対策としてより大きな効果を期待できる。1台の追加で68万5千ユーロの収入が見込まれるが、追加される経費を差し引くと21万ユーロになる。必要額との差額9万ユーロは、執行の最適化で捻出するそうだ。

 来週の市議会で認められたら、次は財政再建計画を認めた州管区政府に申請され、承認後に車を購入する、という段取りになる予定である。「スピード違反がなかなか減らないことが、プールを救う」という形である。

| 市財政や税金問題 | 14:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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