2013年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2014年01月

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エッセンの「桜の父」中村さんを称える銘板設置の動き

 現在、エッセンで、「桜の父」を称える銘板の設置が呼びかけられている。対象はもちろん日本人で、「ナカムラ タダシ」さんといい、2009年に88歳で亡くなられている。ナカムラは中村だと思うが、タダシは正か、忠か、あるいはさらに別の漢字なのかがわからない。キーワードを工夫してインターネットで検索したが、見出すことはできなかった。そこで、ドイツのニュースをもとに、中村さんを紹介したい。

リュッテンシャイト通りで咲く桜。(2005年4月1日撮影)
 まず、桜の写真を探した。私はエッセン市の写真を600枚ほど持っており、桜が植えられているリュッテンシャイト通りは何回も歩いている。しかし、私のドイツ旅行は大半が夏なので、桜が咲いた写真はほとんど期待していなかったが、幸運にも1枚発見できた。それが右の写真で、位置的にエッセン駅から1キロ少し南の場所を撮影している。

 中村さんは、第二次大戦後にエッセンに住んだ初の日本人だそうである。ドイツで最も日本人が多いのはデュッセルドルフで、中村さんも1954年に三井からデュッセルドルフへ派遣された。しかし、デュッセルドルフには適当な住宅を見つけられなかったので、エッセン駅から南西に2キロほど離れた場所に、家族で落ち着かれた。そして、仕事だけでなく、生活やスポーツ面でもドイツ人と交流し、休日にはエッセン南部のバルデナイ湖で漕艇を楽しまれたりしたそうだ。この時のボート仲間との交流は、帰国後も長く続いたようである。

 中村さんは、第二の故郷であるエッセンへの感謝を表すため、桜の木200本と、石灯籠を贈呈した。桜は、彼も散歩したと思われるリュッテンシャイト通りに植えられ、石灯籠は、住まいのすぐ近くにあるグルガ公園に置かれているそうだ。

 銘板設置の動きはフェイスブックから生まれたもので、彼を知る人が設置場所を検討している。エッセンに一緒に住んだ中村さんのご家族は東京に住まれていて、費用の一部を提供されるということである。インターネットで探しても見出せず、私も数日前にニュースを読むまで知らなかった目立たない話しかもしれないが、市民レベルでの暖かい交流であり、銘板が設置されることを期待している。

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| ドイツと日本と | 00:01 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ようやくまとまったミュルハイムの公共交通計画

 数年前から、公共交通計画をめぐり、ミュルハイム市と監督官庁である州管区政府の間で争いが続いていたことは、昨年も紹介したとおりである。先日の12月18日に行われたミュルハイム市議会の決定により、ようやくこの争いに一応の結論が出た。争いの種がなくなったわけではないが、政治主導で妥協への道が選ばれた、と言える。そこで、焦点となっていた路面電車(LRT)の扱いを紹介したい。

ミュルハイム都心の停留所。ここに見える緑色の車両はオーバーハウゼンと共同で運行している112番線で、比較的新しい。(2008年撮影。左に見えるデパートKaufhofは、2010年に閉店している。正面の塔はミュルハイム市役所。)
 当初、州管区政府は、「路面電車の廃止は全く認めない」という姿勢を示していた。一方、赤字に苦しむミュルハイム市の側では、「これ以上安全を保証できない」と運行を突然停止した空港支線に加え、いくつかの路線が廃止候補になった。さらに、この夏には、市の会計責任者が「将来は全面廃止する」ことを提案し、隣接するエッセン、デュイスブルクとオーバーハウゼン市に衝撃を与えた。ミュルハイム市を走る路線には、これらの隣接市と共同運行している路線があるため、大きな影響が生じるからである。

 一方、州管区政府の側は、州の補助金を使用して改修してからまだ余り期間が経過していない路線については補助金返還を求める姿勢を崩さなかったが、それ以外の部分は廃止を容認するように態度が変化してきた。軟化した背景のひとつが、ミュルハイム市の財政再建についても州管区政府が監督庁として指導していることだと思われる。こうして、空港支線の廃止は了承された。しかし、ミュルハイムは、これに加え、市北東部のシュテルムと中央墓地を結ぶ110番線を全て廃止すること等を求めた。州管区政府は、110番線のシュテルムを走る部分はともかく、市中心部については、廃止した場合、スピードアップ工事のために交付した補助金の返還を求めると警告し続けた。

 この状況に対し、市議会第一党のSPD(社会民主党)と第二党CDU(キリスト教民主同盟)は、州管区政府が補助金返還を求めない範囲に限って廃止する妥協案を提出し、可決した。廃止されるのは、停止されていた空港支線約1.5キロ(途中駅2つ)に、110番線の北西端約1.7キロ(途中駅4つ)と、102番線西端の約0.7キロ(途中駅なし)を追加した、計約4キロになる。

 今後の問題として興味が持たれるのが、久しぶりに導入される新車両の効果である。ミュルハイムの路面電車では、購入後30~40年と、通例なら第一線からすでに退いているはずの車両が現在も主力となっている。昨年になり、このままでは運営が崩壊しかねないと、ようやく低床新車両の購入が決定されたが、本来は20両以上が必要なところ、15両だけに止めた。この結果、走行間隔(頻度)を広げざるを得なくなるが、最新の車両なので、プラスの効果も期待される。私は、新車両の導入で路面電車の評判が高まることを期待しているが、果たしてどうなるだろうか。数年後に走り始める新車両の評価が待たれる。

| 公共交通 | 14:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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1回の赤信号無視だけで免許停止1ヶ月に

 ミュルハイムには、アウトバーンに入る手前に、赤信号の無視で8ヶ月間に5件も人身事故が起きた交差点がある。警察も対策に手を焼き、この夏に、信号無視の車の写真を撮影する機器が設置された。すると、何と稼動し始めた週には、計300件もの違反が発見された。もちろん、ドライバーの学習効果で、少し経つと月に300件程度になり、現在はさらにその半分程度にまで減少してきている。それでも1日に5件前後の赤信号無視が記録されているわけで、かなり多い。もともと、事故の原因を調べていて「信号無視があるようだ」と分かったそうだが、これほど信号無視の件数が多いとは、誰も予想していなかったそうだ。

 違反車両の写真撮影時にはフラッシュが光るので、ドライバーも気づく。そして、自宅に反則金の請求が来るのを待つこととなる。気になる反則金の額だが、二段階に分かれている。ポイントは、「信号を無視して交差点に侵入した時点が、赤信号になってから1秒が経過する前か後か」である。1秒以内の場合は、反則金90ユーロと、点数3点と、日本の場合に近い。しかし、1秒が経過していた場合、反則金は200ユーロ(今日のレート142円では3万円近く)になり、点数も4点、そして同時に、「免許停止1ヶ月」になるそうだ。「これらのドライバーは、交差点で事故を起こすこともあり得た」そうなので、免許の利用を停止されても仕方が無いということになるのだろうか。

 では、ミュルハイムのこの場所では、信号無視ドライバーのどの程度が免許停止の対象になっているのだろうか。11月に信号を無視したドライバー155名中では、3割に近い43名と、かなり多い。アウトバーン手前の交差点なので、アウトバーンに入った気分で走っているドライバーもいると思われる。おそらく、それが「事故多発地点」につながっているのだろう。

 参考までに、この155名が支払うこととなる反則金の合計額を計算してみたところ、18,680ユーロになった。今日のレートで換算すると、265万円である。これから経費を差し引いた額がミュルハイム市の懐に入り、それだけ市の赤字が減る。財政の厳しいミュルハイム市には貴重な財源で、交通事故が減り、結果的に警察や保険会社も経費を節減できるので、一石何鳥かになるはずだ。高い反則金を支払った上に、免許停止まで受ける「1秒以上」のドライバーには気の毒だが、我慢し、二度と信号を無視しないように注意して貰うしかないようである。

| アウトバーンや交通規制 | 23:05 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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