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遠ざかるエッセンのメッセ整備 - 住民投票が計画を否決

 エッセンで、メッセ(見本市)会場の建物一部建て替えをめぐる住民投票が1月19日の日曜日に行われ、その後一週間が経過した。この間、エッセン市はメッセ住民投票の話題で持ちきりで、問題が今後も長く尾を引きそうな気配である。

 エッセンのメッセは、中央駅の南側3キロ弱と、便利なところにある。総展示面積が11万平米と、日本ならトップになりそうな規模だが、見本市が盛んなドイツでは9番目である。ルール地方では最大だが、ノルトライン・ヴェストファーレン州では3番目で、州の支援もあるケルンとデュッセルドルフにはとても及ばない。展示場の建物は古くなっており、とくに北半分は、小規模な第四~第十二ホールが複雑に絡み合い、一部の展示場が二階にあるため、使用しにくい。この結果、規模の拡大に伴ってエッセンから出て行くメッセもある。最近も、「アルミニウム」のメッセが2010年を最後に転出し、フィットネスのメッセ「Fibo」も、2013年で終了した。

 努力して育ててきたメッセが、成功して大規模になるとエッセンから出て行く現象を「何とかして止めたい」と考えるのは、当然の成り行きだろう。Fiboの場合、2階を除いた全展示面積の7万5千平米を使用するようになり、転出を決定した。転出先のケルンでは、新設された8万6千平米のホールを使用するそうだ。

 メッセは市の子会社で、有力メッセ流出の影響もあって赤字に苦しんでおり、改造は市財政に大きな負担となる。財政難に苦しむ市は改造を先延ばしにしていたが、2011年末に市議会も整備を認め、設計競技を経て、2012年末に案が選定された。北側のホールを4つにまとめ、全体で第七ホールまでにするプロジェクトである。関係者は、これでようやくエッセンのメッセも整備されると、安堵した。

 2013年7月には、市議会で予算が承認された。ところが、その時に反対した「緑の党」と「左翼党」が、住民投票を目ざして署名活動を開始したのである。ノルトライン・ヴェストファーレン州では、住民投票の成立要件が2011年末に緩和されている。それ以降は、必要な署名を集めた場合、ほとんどのケースで市議会の決定が覆されている。そして、メッセ整備についても署名が開始され、必要数に達したため、先週日曜日の1月19日に住民投票が実施された。結果は、メッセ建設予算を認めるは49.6%で、認めないが50.4%と、わずか962票の差でメッセ整備予算が否決された。

 問題は、その後である。投票2日後の21日に、エッセンで1年おきに開催されていた「タイア」のメッセが、「2016年までの現契約終了後はケルンに移転する」と発表したのである。当初、事務局は「住民投票の結果とは関係ない」と説明したが、少し遅れて「投票結果がこうなっていなければ残留した」という情報も出てきて、状況が混乱している。さらに、「増築計画を断念した」というホテルも出てきた。

 今日27日には、市長が市議会各派を集め、今後について協議することになっているが、事態がここまでこじれると、打開は困難だと思われる。エッセン市では、15年前にもコンサートホール建設をめぐって市を二分する紛争が起きた。今回は、その時よりも事態がこじれているように思える。一体、この紛争で誰が得をし、誰が深刻な被害を受けるのだろうか。私は、「エッセン市とメッセのイメージが低下し、市の将来にマイナスになるのではないか」と気になっている。
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| 市財政や税金問題 | 21:24 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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