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死者21名を出したラブパレード事件で10名を起訴

 今から3年半前、デュイスブルクで行われた音楽イベント「ラブパレード」で、死者21名、負傷者が500名以上という大惨事が生じたことを覚えているだろうか。事件の詳細はこちらに詳しく説明している。事件が起きたのは2010年7月24日(土曜日)で、イベントがクライマックスを迎える直前の午後5時頃である。負傷者の中には、現在も押しつぶされた際に受けた障害の後遺症に苦しんでいる方がかなりいらっしゃるそうである。

この階段の周囲で圧死事件が生じた(2012年撮影)。その後の整備で、現在は光景が一部変わっているはずである。
 この事件に関する責任追及は、民事裁判による損害賠償に加え、「過失致死傷」として刑事裁判が行われる。多くの人が見ている場所で起きた事件で、沢山の資料があり、整理が大変で、起訴までには長い時間がかかるものと見られていた。しかし、ようやくその時がやって来たようだ。ちょうど1週間前の2014年2月12日に検察が記者会見を行い、10名を起訴することを明らかにした。

 問題は、「誰が起訴され、誰は起訴を逃れられるのか」である。ラブパレードの主催者Lopavent社の社長はシャラー氏で、デュイスブルク市長だったザウアーランド氏も実施を強く進めた。しかし、この両氏は、早い段階から起訴されないと報道されていた。圧死事件との直接的な関係はない、ということなのだろうか。

 起訴された10名の内訳は、Lopavent社の社員が4名(パレード責任者2名と、安全と技術の責任者)、市の建築局職員が3名、同じく市の検討チームの責任者が3名である。警察官が1人もいず、市でパレードの安全面を担当した職員もいない。事故を受け、直ちに市役所で記者会見が行われたが、その時のメンバーはシャラー社長、ザウアーランド市長、市のラーベ安全担当助役、そして警察副署長の4名だった。この4名の全員が起訴されなかったことは、少し不思議な感じもする。更に不思議なのが、ランプの閉鎖を警察に要請したとされていた群衆マネージャーも、起訴されなかったことである。

 建築局職員が起訴されるのは、計画を検討して会場の使用許可を出したからだろうと思われ、その責任者である建築・都市計画担当のドレスラー助役は、起訴された市の検討チーム責任者の代表に含まれている。市長がラブパレード実施を強力に進めていたので、ドレスラーとしては「不許可」という選択肢はなかったように感じられるが、裁判官はどう判断するのだろうか。ザウアーランド前市長とシャラー社長は、証人として出廷することになるそうだが、何を語るのだろうか。

 日本で思い出されるのが、明石花火大会歩道橋事故で、明石警察署長と副署長が不起訴となり、検察審査会が起訴を求めたことである。まだ裁判の最終的な結論は出ていないようだが、日本もドイツも、起訴されるメンバーには庶民感情が反映していないように感じられる。これは、「疑わしきは罰せず」という刑法の大原則によるものなのかもしれない。

 もちろん、ザウアーランド前市長の場合は、州法改正によってリコールへの道が開かれ、市長の座から引きずり下ろされた。これがなければ、市民の怒りはおさまらず、デュイスブルク市政は混乱していたであろう。これから何年かかれば裁判の結論が出るのかわからないが、その結果が待たれる。
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