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公共交通のストライキと親による車の送迎

 先週から、ドイツの公共交通が全国規模のストライキに見舞われている。労働者の賃上げ要求に、使用者側がゼロ回答を行っているためである。先週は州ごとに1日間のストライキだったが、今週に入ると2日間に伸びた。昨日はルフトハンザもストに参加し、今朝日本に到着する予定だった便が欠航になったそうだ。2年前には、私もルフトハンザのストのため、7時間後の日本航空便で帰国する経験をしたが、今朝はどうだったのだろうか。

 実は、先週ルール地方を回っていた私は、今回のストにも巻き込まれた。先週は月曜日にニーダーザクセン州、火曜日にノルトライン・ヴェストファーレン州、水曜日にはバーデン・ヴュルテンベルク州などと、日替わりで州ごとにストが行われた。火曜日はボーフムを見回る予定にしていたので、仕方なく歩いて回った。ドイツ鉄道はストを行っていなかったが、ボーフムではドイツ鉄道を利用できる場所が少ない。ストの気配があったのでホテルに問い合わせ、出発前日にストを知ったので、地図に訪問地点をプロットし、「どういう順で回るのがいいか」と検討しておいた。これまでは路面電車を主体に、バスを補助的に使って回っていたが、地図にプロットすると「こことここがこんなに近かったのか」という発見もあった。30キロ程度の行程だと思っていたが、8時間以上かかったので、もっと長かったのかもしれない。

ボーフム市北部で2014年3月18日の13時半に出会った親のタクシーによる送迎状況。
 ホテルの主人は、「子どもの学校が10キロほど離れているので、車で送迎しなければならない」と話していた。すでに小学校は卒業し、市内の遠く離れた地区にある上級の学校に通っているそうだ。この日は、それまであまり経験したことがないことにも出会った。ひとつは、13時前後に、帰宅途中と思われる生徒から「今何時ですか」と、2回も聞かれたことである。もうひとつは、学校の近くで子どもを乗せた車が並んでいる光景に出会ったことで、それが右の写真である。

 交通ストライキが行われたこの日は特別で、毎日このような状況が見られるわけではないが、親による送迎は「親のタクシー」と呼ばれ、問題になっている。始業や終業時に多数の車が学校周辺に集中し、事故が起きる危険が高まる。基本的には親の車による送迎は行わないように勧められているが、数日前の新聞に、「オーバーハウゼンでは親のタクシーへの駐車場設置を検討している」と報道されていた。背景には、小学校の通学区が自由化され、行きたい学校を選べるようになった点があると思われる。学校のクラス編成が登録後にならないとわからない点にも少し困るが、今のところ「以前に戻そう」という動きはない。

 さて、話題をストライキに戻そう。私は、痛む足で「ストに巻き込まれて運が悪かった」と思いつつ帰国した。しかし、今週の2日連続のストとルフトハンザ欠航を知り、「今回は大した影響を受けなかった」と考え直すことになった。何回もドイツを訪問しているが、それでも新しい経験をするものである。次回は何が待っているのだろうか。

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| 公共交通 | 14:02 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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それでも届いた4台目のスピード違反測定車

 先週末、デュイスブルクでは、市が注文していた4台目のスピード違反測定車がお披露目された。スピード違反測定車を追加購入して反則金収入でプールを維持する方策を州が認めなかったことを、1週間前にここで伝えたばかりである。それにもかかわらず、なぜ車の購入が進められ、お披露目となったのだろうか。

 「市民プール維持のためにスピード違反測定車を追加購入」すると決めたのは、昨年11月11日の市議会である。実は、4台目の購入は、それに先立つ8月に決定され、注文されていた。その後、9月に入り、市民の署名を受けてプールを維持する方針が決定された。そこで、「州に財政再建計画の変更をどう報告したらいいだろうか」という話になり、「すでに決定していたスピード違反測定車の購入で辻褄を合わせよう」という経過を辿った、という話しである。

 市議会で「プール維持のためにスピード違反測定車を購入する」と決定した後、市民からは、「人の涙を笑うことになる」、あるいは「違反の摘発が市財政のためだという印象を市民に与える」と、いろいろ批判が寄せられた。プール維持の署名活動を行ったイニシアティブも、「市の違反摘発が頻繁になる責任者とされかねない」と不安を口にしていた。それに対し、決定を行った市議会与党は、「どこかから補填した形の報告を行うという単なる財政技術的な問題に過ぎない」と弁解していた。州管区政府が別の財源を示すように求めたことで、これらの問題は解消されたわけである。

 では、なぜ市は4台目のスピード違反測定車購入を決定したのだろうか。背景には、市が違反を摘発してよい場所が、昨年半ばに拡張された点がある。従来の規則では、事故多発地点や危険な箇所に限定されていたが、規則が緩和され、通学路や歩行者通行が多い場所も対象にできることになった。デュイスブルク市の場合、従来の対象は約300箇所だったのが、改正で600箇所以上に増加する。そこで、「従来の3台では対処できない」と、追加購入が決定された。

 これから、デュイスブルク市は、「プール維持費用をどこから捻出する形式にするのか」と、頭をひねらねばならない。決定は今年9月の市議会だそうだ。

| 市財政や税金問題 | 13:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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スピード違反反則金によるプール維持を州が認めず

 昨年末に、デュイスブルクが「市民プール維持のためにスピード違反測定車を追加購入」する話題を紹介した。日本では、スピード違反の反則金は、カーブミラーや歩道整備など「交通安全」のためだけに使用されるので、「これでいいのだろうか」と疑問を感じたことが、動機の一つである。同時に、ルール地方の財政状況の厳しさを理解でき、俗に「ばらまき」と呼ばれる施策の限界が見える感じもした。

 ところが、監督庁である州管区政府が、反則金によるプール維持を却下したのである。もともと、プールを閉鎖することとしたのは、州が求めた財政再建計画のためだったので、その変更には州の認可が必要になる。反則金によるプール維持は、日本から見てとても「安易」だと感じられたので、私は「州はどう考えるのだろうか」という点に興味を感じていた。

 2週間ほど前に、「レーダー車による収入をプールの維持に使う方法を、州管区政府が認めなかった」というニュースが流れてきて、「やはり」と思った。問題は、「認めない理由」である。もちろん、「安易な方法だから」というような理由ではない。州は、まず「当初の財政節減決定に反してコンビプールを今後も開くと市議会が決定したことを、批判的に見ている」と表明した。そして、これは自発的な実施と評価すべきであり、「別の自発的行為への予算を断念する」ことでバランスをとるように求めた。「自発的行為」という用語は、日本の地方政治では聞いたことがない。私も十分に理解しているわけではないが、「多分こうだろう」と考えている説明を試みたい。

 交通違反を減らすことは、市民の安全確保のために行政が行わねばならないことで、「予算がないから手を抜く」ことや、「財源獲得のために懸命に違反を探す」ことは、好ましいことではない。一方、市民にプールを提供することは、行政の義務ではない。市民の状況をもとに決めることで、ドイツでは最終的に市議会の判断に委ねられる。こう考えると、「市民プール維持のためにスピード違反測定車を追加購入」するという決定には、何かおかしい点がある。「予算が足りていれば違反を摘発しない」ことになれば、市民が困るからである。州は、「交通違反の摘発は、あくまでも交通安全の観点から判断すべきだ」と言いたいように感じられる。

 こうして、プール維持の代替財源探しは、振り出しに戻った。ルール地方の他都市では、市民の反対が強い分野の予算削減を断念し、職員削減で財源をひねり出す例もある。その結果、市役所窓口の待ち時間が長くなり、市民サービスの低下だと憤慨している市民もいるので、この方法にも限界がある。さて、デュイスブルク市はどのような方法に決めるのだろうか、これからが大変である。

| 市財政や税金問題 | 14:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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