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年末にもオーバーハウゼンで電車延長の住民投票か

 オーバーハウゼンで、エッセンの電車(LRT)105番線を延長して市内の既存路線につなぐかどうかを「住民投票で決定する」という案が浮かんでいる。早ければ今年の末にも投票が実施されるかもしれない。

ミュルハイム都心からオーバーハウゼンへ向かおうとする112番線の電車。(2008年撮影、写真はこの記事と共通)
 大都市圏のルール地方では、隣接市とつながっている公共交通がいくつかある。たとえばエッセン中央駅から地下鉄18番線に乗ると、ミュルハイム中央駅まで来られる。そして、ミュルハイム中央駅で901番線に乗り換えると、こんどはデュイスブルク中央駅に到達できる。さらに、ミュルハイム中央駅の地下にある乗り場から地上に出て少し歩き、112番線の電車に乗ると、オーバーハウゼン中央駅に行ける。

 現在問題となっている路線延長は、エッセン中央駅を通ってオーバーハウゼン市との境界の200~300メートル手前まで来ている105番線を、あと約3キロ伸ばし、ミュルハイムからオーバーハウゼン中央駅を経由してオーバーハウゼン市北部へと向かう112番線と結ぶプロジェクトである。

 この路線延長に積極的なのは、乗客の増加を望めるオーバーハウゼン交通会社と、新たな公共交通接続の意義を評価する州政府のようである。一方、新路線の工事費用と、オーバーハウゼン交通会社の赤字に責任を有すオーバーハウゼン市は、困惑しているように見える。オーバーハウゼン市は財政が赤字で、市民1人あたりの債務はドイツで最も多額だと報道されている。それなのに新路線を建設し、その後の維持の面倒を見るのは、負担が大きい。

 新路線の建設には、連邦と州から多額の補助金が見込まれる。補助は、路線によって期待される利益(便益)が建設費用より多いことが前提となる。利益は「国民経済的」な観点のものなので、時間短縮による利益や、排気ガスの減少なども含まれている。この路線の場合、事前の計算によると、利益が費用の2倍になるので、補助の条件を満たしている。工事費用は約8千万ユーロと見積もられているが、オーバーハウゼン市はその1割、約800万ユーロの負担で済む。

 経験的に見て、新路線の建設によって他市と結ぶケースでは、市内の郊外へ向けた路線延長に比較し、増加する乗客が多いのが普通だそうである。しかも、105番線が112番線と結ばれる場所には、巨大ショッピングセンター「ツェントロ」や、ワールドカップの勝敗予測で有名になったタコがいた水族館がある。だから、普通なら「双手をあげて賛成」となるところである。そうならないのは、オーバーハウゼンが財政赤字の問題を抱えているからである。

 オーバーハウゼン市議会には60の議席があり、第一党は社会民主党の23議席、第二党はキリスト教民主同盟で20議席、さらに5議席の党が緑の党、左翼党、市民政党と3つあり、残る2議席は自由民主党である。社会民主党が覚悟を決めれば、公共交通に最も積極的な緑の党は賛成するので、市議会で過半数を獲得できる可能性はある。しかし、社会民主党も、財政状況を心配する声は無視できない。

 比例代表制で党に投票するノルトライン・ヴェストファーレン州では、ほとんどの政党が、夏休みに報道機関をシャットアウトして議論を行う(Klausur)。先週、エルフルトでKlausurを行ったオーバーハウゼンの社会民主党は、オーバーハウゼンに戻り、「住民投票を行いたい」と方針を発表した。路線計画の再検討を求めているキリスト教民主同盟が、この報道に「社会民主党はおじけづいた」とコメントしていることが、「推進したいが市財政が心配」という状況を示唆している。

 ノルトライン・ヴェストファーレン州では、議会主導の住民投票を行うには、議会の三分の二の賛成が必要である。だから、キリスト教民主同盟が賛成するか、あるいはキリスト教民主同盟を除く全会派が賛成することが必要となる。

 住民投票が行われる場合、最も負担が大きいのは、オーバーハウゼン交通会社であろう。60名の議員を納得させれば済む市議会と異なり、10万人以上の有権者を相手に、路線延長のプラスを納得させるのは負担が大きい。すでにエッセンの交通関係者からは、「オーバーハウゼンのような負債が大きい都市では、公共交通プロジェクトに過半数は得られないだろう」という声も聞かれる。この問題がどうなるのか、注目して見ていきたい。
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ドルトムント復帰の香川を歓迎するボルシア・ハウス

 日本の香川真司がドルトムントのサッカークラブBVB(ボルシア球技クラブ)に復帰したことは、先月末から現地の新聞でも大きく報道されている。復帰を喜び、活躍を期待する市民の代表格が、この写真の住宅を所有し、ボルシア・ドルトムントの熱狂的なサポーターであるヴィンケルマン一家であろう。それは、この住宅が生まれた背景を知れば理解できる。

黄色と黒に塗り分けられ、ボルシア・ドルトムントの大きなロゴをつけたボルシア・ハウス。(2014年撮影)
 ヴィンケルマン一家は熱狂的なボルシアのファンで、ホームゲームの度に南側の観覧席に陣取る。香川がドルトムントのチームに参加して活躍し始めた2010-2011年のシーズンが終わりに近づき、優勝が見えてきた頃に、友人との間で、「本当に優勝したら何をしようか」という話になった。丸坊主にするという者が多い中、それが嫌いな夫には、方法が一つしかなくなった。それが、「住まいをボルシアのシンボルカラーである黄色と黒に塗り分ける」というものである。

 そして、それが実行され、玄関上には縦横3.9メートルもあるボルシア・ドルトムントの大きなロゴが置かれた。周囲には他チームのファンもいるが、みな何とか納得してくれたそうだ。建物改装の落成式には元選手の参加もあり、時々家の前まで来ることもあるらしい。この住宅があるのはボルシアの練習場と同じ区で、直線距離で1.5キロしか離れていない。また、マークの影響で、遠くから見に来る者もいるそうだ。実は、私もその一人である。

 私がこのボルシア・ハウスを知ったのは、改装から3年近くが経過した今年の春に、近くから「建築規準に違反しているのではないか」という苦情が出されたことがニュースになったためである。ポイントは、「宣伝」と「防火」の2つある。まず宣伝だが、このマークは周知のもので、これを利用して商業的な宣伝をしているわけではないので、問題ない。もう一方の防火面は複雑で、市建築局もマークの材料を調べ、火災時にどうなるかを検討したそうだ。その結果、「これで問題ない」という結論が出され、ヴィンケルマン一家もほっとした。

 現在、ドルトムント駅前では、ドイツサッカー連盟の博物館が工事中である。多数の都市が誘致に名乗りを上げ、その中からドルトムントが選ばれたので、完成後はドルトムントの観光にも寄与することだろう。以前、香川がドルトムントに在籍した時には、日本人もよくドルトムントを訪れたが、今回の香川の契約は4年間とされており、日本人のドルトムント詣でが増加すると期待される。なお、前回、香川は都心アパートに住んでいたそうだが、今回は違う。南ドイツ新聞によると、すでに今年初めに、フェニックス湖畔の住宅を購入していたそうだ(一戸建てか集合住宅かは不明)。湖畔にはランニングできるコースもあり、すでにボルシアの選手も数名住んでいるそうなので、いい住まいになることだろう。

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