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自転車環境はドイツ自転車クラブ評価で「中の下」あたり

 先週、ドイツ自転車クラブが、メンバーの協力で行った「自転車環境テスト」の結果を公表した。その結果によると、ルール都市は「中の下」あたりである。評価は6段階で行われるが、日本の5段階評価と違い、「数字が小さい方が評価が高い」ことには注意が必要である。

都 市評価グループ内順位
オーバーハウゼン3.5820万人以上39都市中7位
ミュルハイム3.8810~20万人37都市中20位
エッセン4.0020万人以上39都市中23位
ドルトムント4.0020万人以上39都市中25位
デュイスブルク4.0520万人以上39都市中29位
ボーフム4.3820万人以上39都市中37位

 日本の5段階評価では「評価3」が「ふつう」だが、この6段階評価の場合は、それに相当するのは「評価3.5」である。6都市で最も評価が良いオーバーハウゼンでもこの値に達しないので、厳しい評価結果だと言えるだろう。

 では、どのように評価が行われ、評価の分布はどうなっているのだろうか。評価への参加者は、自転車クラブのホームページからアンケート調査票を入手し、記入して返送するか、あるいはオンラインで直接提出する。調査票は27項目について6段階評価を求めており、最後に自由回答欄が置かれている。初めの方には一般的な自転車環境に関する設問があり、次第に具体的な質問へ進む。たとえば問1は、「自転車に乗るのは楽しい」-「自転車に乗るのはストレス」、問27は「公的に利用できる貸し自転車が、誰にでも簡単、確実、安価に利用できる」-「旅行者への貸し自転車はない」の尺度について、6段階評価を行う。これに自転車事故件数等のデータを加え、各市の評価が行われた。

 人口20万人以上のグループでトップに立つのは、ドルトムントから北に50キロほど離れたミュンスターで、評価は2.50である。2番目が南ドイツのカールスルーエの3.21なので、ミュンスターの評価は飛び抜けて高い。そして続く3位には、日本で「環境都市」として有名なフライブルクが3.32で登場する。人口が10~20万人の都市グループでも1位の評価は3.28なので、ミュンスターの評価の高さが分かるだろう。

ヴィッテナー通りを都心から郊外へ見る。(2012年撮影)
  この結果だけを見ると、ボーフムの自転車環境は最悪に近い。そのボーフムも、自転車道の整備に努力している。一つの例が、中央駅そばから南東方向へ伸びるヴィッテナー通りである。ここには、道路の中央に、以前走っていた電車の軌道と停留所(その後はバスが使用)が残されたままとなっていた。ようやく予算の目処が立ったので、以前から懸案となっていた「双方向に自転車道を設置する」協議が始まった。行政は、車道を上下各1車線にする方法を考えていた。会議に出席した自転車クラブの代表は市の方針を支持したが、商工会議所が渋滞を理由に強く反対した。

 その後、問題は市議会の交通委員会に移され、ここでも議論が紛糾した。2010年末の報道によると、「朝のピークの方が重大なので、都心方向は2車線、郊外方向へは1車線」にして、両方向に自転車道を設置する妥協案が浮かび始めていた。写真は2012年8月の状況で、この妥協案が実施されていた。今回自転車道が整備された区間は約600mで、ヴィッテナー通りはさらに長く伸びている。自転車道の整備にも、資金と時間が必要だと感じた次第である。
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| 自転車や歩道・舗装 | 16:20 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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電車延長を争うオーバーハウゼンの住民投票は3月8日

 以前から計画が進められていた、エッセンの電車(LRT)105番線を延長してオーバーハウゼンの既存路線につなぐ延長プロジェクトは、当初の予想より遅れて3月8日に住民投票が行われることになった。住民投票を行うことが最終的に決定したのは、昨年12月15日の市議会である。投票の実施が当初に考えられた時期よりも遅くなったのは、市議会第二党であるキリスト教民主同盟(以下「CDU」と記す)が態度を決めるのに時間がかかったためである。

エッセン市内を走るLRT105番線の電車。(2013年撮影)
 都市の交通手段として公共交通を重視している緑の党や社会民主党(以下「SPD」と記す)と異なり、CDUはもともと車(マイカー)を重視している。このため、105番線延長には、当初から慎重な姿勢を示していた。ところが、正面から「反対」を打ち出すことも困難だった。それは、CDUの支持基盤である経済界が、商工会議所を筆頭にして、路線延長を歓迎する態度を示したからである。

 そこで、CDUは、11月末になり、「建設費用が約7割で済む平面路線」を提案した。つまり、「路線延長には賛成するが、費用が高すぎる」として、建設費用を争点にしようと考えたわけである。平面で最短ルートを選ぶので、CDU案では、延長区間も3.3キロから2.4キロに短縮される。

 しかし、CDUの案は袋だたきにあった。平面路線では交差点で交通の障害となり、現在でもピーク時に生じている渋滞を悪化させる。さらに、路線の短縮で劇場と水族館に寄らなくなり、期待される乗客増加が縮小する。また、電車による振動を嫌う工場のそばを走ることとなるので、その操業の継続が脅かされる。そしてもう一つの問題が、「補助金が予定されている期間内に工事を完成できるか」である。路線が変更されると、工事で予想される費用と便益が変化する。測量し、設計し直した上で、補助対象になるか再度検討することが必要になるので、認められている「2018年末まで」の補助期限内には工事を完成できなくなって、補助金を失う危険がある、というわけである。なお、用地買収が必要となり、CDUが想定したより多額の費用がかかる恐れがあることも指摘された。

 住民投票にかけられる設問は、「はい」か「いいえ」で回答される。建設賛成派は、次の設問を予定していた:「あなたは、LRT105番線の隙間をなくし、エッセン市域からオーバーハウゼン中央駅とシュテルクラーデ駅まで建設することに賛成ですか。」CDUは、この設問では、より費用が安く済む方法があることが分からないので、それが分かるように修正するよう求めた。住民投票の決定では、同時に設問も決めなければならない。こうして、12月15日の市議会で、住民投票に必要な三分の二の賛成を獲得できるかどうか、怪しくなってきた。

 ところが、12月15日の市議会では、結果的に全議員がこの設問に賛成し、住民投票の実施が決定された。情勢が変化したのは、SPDや緑の党が、「もし住民投票が否決された場合は、市議会の単純過半数で路線の延長を議決する」と腹を固めたためである。この場合、反対するCDUらが案をひっくり返すには、住民発議の住民投票を求め、議決結果の告示から6週間以内に有権者の5%以上の署名を集め(住民請求)、その後に投票となる。うまく進む保証はなく、「市議会発議の住民投票で反対を呼びかける」方がはるかに簡単である。

 さて、住民投票まであと5週間である。住民投票で路線延長が認められるのは、他都市での経験や、オーバーハウゼンの財政状況から考え、非常に厳しいことであるが、公共交通の発展を願い、情勢を眺めていきたい。

| 公共交通 | 15:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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