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デュイスブルクでは電車のバス代行で遅れや積み残し

 公共交通に依存しているデュイスブルク市民のうち、LRT利用者の一部が、少し前から厳しい試練にさらされている。市の北部と都心を結びミュルハイムへ伸びる901号線では3月下旬から、そして市内を南北に結ぶ903号線では4月中旬から、一部の区間がバス代行になったためである。バス代行になると、輸送力が大幅に落ちる。このため、901番線は市北部をバス代行に、903番線は市南部をバス代行にと、バス代行の地区を変え、市北部の輸送力が落ちすぎないよう配慮している。

"GT 10 NC-DU"の車両内部。ドアに近い座席が低くなっているのがわかる。(2006年撮影)
 この両線を走るLRT車両は「GT 10 NC-DU」というタイプで、デュイスブルク交通会社はこの車両を45両所有している。古いものは1986年から使用されており、新しい車両でも1993年なので、すでに22~29年が経過している。長さが約33mあり、座席数62で、170名以上が乗車できる。当初はもう少し短かかったそうだが、乗車人数を多くしようと、車両の中間部に低床部を挿入し、乗降時の段差を減らした。だから、電車内部のドア周辺が低くなっていて、段差がある。この改造は1996~1997年に行われたそうである。

 改造後すでに20年近くが経過し、車両の老朽化を心配した会社がチェックを依頼したところ、分解して清掃し、組み立て直すオーバーホールが必要だわかったそうだ。オーバーホールには多額の経費が必要なので、2014年に決定された不動産税増税による増収の一部が、修理に宛てられることとなっていた。

 45両のうち、38両が動けばダイアは維持できる。ところが、2015年2月に入り、車両に腐食による損傷が確認されたそうで、2月末時点では32両しか動けず、6両分がバス代行となった。当初はLRTの間に適当にバスを挿入していたらしいが、乗り換え停留所を設定する方が対処しやすいので、901番線は市北部、903番線は市南部を全てバスに替えるという態勢になった。バスは運べる人数が少なく、電車(GT 10 NC-DUの最高速度は、ドイツ語版ウィキペディアによると時速60キロ)よりスピードが遅く、しかも渋滞に巻き込まれやすい。このため、代行区間では遅れや積み残しが生じ、市民の不満は高い。

 問題は、いつになればこの状況が解消するかの見通しが、まだ立っていないことである。新聞によると、市民の中には、車通勤への転換を考えている人もいるそうだ。せめて、車両の修理がどのような状況にあるのかをこまめに発表し、顧客を失わないように心がけてほしいと希望する。
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| 公共交通 | 14:22 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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今週からアウトバーン40号線のライン架橋でネズミ取り

 ドイツのアウトバーンでも、最近は各地で老朽化が問題となっている。昨年、最も注目されたのが、レバクーゼンのアウトバーン1号線ライン架橋(1965年完成)である。溶接部分補修のため、大型トラックの通行が禁止されたが、大都市ケルンの環状線を形成しているため、周辺が大渋滞に見舞われた。当初は半年ほどで済むと思われていた大型トラック禁止が1年以上に伸び、現在も継続しているそうだが、迂回ルートが理解され、渋滞は一時よりかなり改善されているらしい。

 斜張橋として建設されたA40のライン架橋。
(Wikimedia Commonsより)
 その翌年、つまり今年に入って注目を集めているライン架橋が、デュイスブルクのアウトバーン40号線である。この橋は、レバクーゼンのライン架橋の6年後の1971年に開通しており、構造は同じ斜張橋である。建設から約30年が経過した2004年頃にはロープの錆が問題となり、補修が行われている。

 この橋が問題とされ始めたのは昨年2014年のことで、3月末の週末に緊急修理が行われた。問題はそれでは解消せず、6月始めに再び修理が行われることとなり、同時に「今後も修理しなければならない恐れがある」と説明された。この説明が事実となり、9月には再び緊急修理である。修理内容は溶接部分のヒビの補修で、橋の振動を抑えるために走行を1車線だけに制限するので、渋滞対策として、平日を避けて週末に作業が行われていた。そして、12月に入り、修理は来年も行われるという予告が出された。とくに、東へ向かう車線で老朽化が進んでいるそうだ。

 こうして、今年に入っても修理が続いた。1月末の修理では、それまでの44トン以上のトラック禁止ではなく、はじめて3.5トン以上のトラックが禁止された。次が2月末で、その修理中に、状態が予想より悪いことが判明し、平日を含めて6週間以上かけて修理すると発表され、運送業者をあわてさせた。そして、3月初めから、多数の警官を投入して車の迂回作戦が開始された。

 問題は、「なぜこのような状況になったのか」である。この橋が計画されたのは1960年代で、当時は東西冷戦が続いていた。トラックは大西洋から東西ドイツ国境の間しか走らないので、予想交通量は1日3万台とされた。ところが冷戦が終わり、東欧を目ざして多数のトラックがこの橋を通行するようになり、現在の交通量は1日に約10万台と計画の3倍を超え、うち1割はトラックである。しかも、トラックの大型化が進み、建設当時はなかった40トン以上のトラックも走っている。

 州は新橋の計画を開始したが、完成までに10年はかかる。現在の橋を10年維持するために、スピードを80キロに制限することとされ、違反車の写真を撮影する機器が、まず東向き車線に設置された。実は、デュイスブルク市は以前からアウトバーンでもスピード違反を摘発することを望んでいたが、州が認めなかった。今回は橋の寿命のため必要な制限なので州も認め、3月末に機器が設置されていた。そして、東方向車線の修理が4月末にようやく終わったことを受け、州がスピード違反摘発の警告標識を設置し、わが国の高速道路がゴールデンウィークで渋滞に苦しんでいる今週月曜から違反摘発が開始した。

 スピード違反が摘発されると、運転手は75ユーロか150ユーロを支払わねばならない。財政難に苦しむデュイスブルク市は、年に95万5千ユーロの財源になると予想しているそうであるが、実際にいくらになるかは、今後の経過を見ないとわからない。ちなみに、レバクーゼンのアウトバーン1号線ライン架橋では、摘発を開始してから1年弱の時点で、西向き車線で420万ユーロ、東向き車線では630万ユーロの反則金に相当する写真が撮影されたそうである。この金額は、ボーフム市が市内全域から得る反則金額500万ユーロに近い。果たして、デュイスブルクのライン架橋の東向き車線は、市にどの程度の恩恵をもたらすのだろうか。

| アウトバーンや交通規制 | 17:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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