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ボーフム市役所前広場で難民がハンガーストライキ

 シリア等からのドイツへ向かう難民は、冬に入ってから人数が幾分減少してきたようだが、これまでにドイツに到着した100万人とも言われる難民は、各方面で大きな負担となっている。先日は、エッセンのテント村に収容された難民が改善を求めてデモを行ったことを紹介したが、ボーフムでは、復活祭を祝うキリスト教徒を横目に、先週水曜日の23日から、約30名の難民がハンガーストライキを決行している。

 難民は市役所前でストライキを行っているが、エッセンのデモとは異なり、その要求は市へ向けられたものではなく、連邦である。難民が最も強く求めているのは、連邦の難民認定を行う部署が、自分たちの難民申請を検討して早く結論を出すことだからである。

 難民認定に長い期間がかかることは当初から分かっていて、「検討し始めてから半年程度かかる」と報道されていた。昨年の9月、ドイツが難民を歓迎するという姿勢を示して以来、大量の難民がドイツに押し寄せ、事態が悪化している。連邦も難民認定を行う職員を追加して体制を整え、隣接するドルトムントの認定局支所で作業されているが、「焼け石に水」である。一体いつになれば自分の難民申請の検討が始まるのだろうか、早く処理してほしい、というのがハンガーストライキの趣旨だそうである。

 1ヶ月ほど前にも、難民にとって最大の問題は「待つ」ことだ、と書いている記事があった。もちろん、難民申請の検討を行うまでの期間についても、難民には一定の生活費が保証されている。しかし、体育館やテント村で、先の見えない生活を行うことは、想像以上にきびしい。ストレスがたまり、無気力化が進行すると関係者も問題にしているが、認定局からは進行状況について何の連絡もない。もちろん、認定局の大変さも分かる・・・。

 このように認定を求めてハンガーストライキに入る難民がいる一方で、ドイツに入国後、難民申請をしないまま過ごしたり、割り当てられた施設を去って行く者、あるいは国境から受け入れ施設まで向かう列車の途中で消えてしまう者も少なくないそうだ。ドイツは、大変な問題を引き受けてしまったのだろうか。
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| 難民と移民 | 16:34 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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「これで眠られる」、速度規制を喜ぶ住民イニシアティブ

暴走行為の場となった4車線のデュイスブルガー通り。遠くに見える高架がアウトバーン59号線。(2009年撮影)
 デュイスブルク市北部の電車通り「デュイスブルガー通り」は、4車線の道路がほぼまっすぐに走り、スピードを出しやすい。しかも、アウトバーン59号線のインターチェンジから下りたところに、広い駐車場を有す大型店があり、周囲から集まった若者が車を調整する格好の場所となる。こうして、もう10年以上前から、金曜日や土曜日の夜になると周辺都市からも若者が集まり、道路でカーレースを繰り広げるようになった。ドイツでは、市街地の一般道路では、原則として時速50キロまでしか許されない。しかし、若者は平気で制限速度を超え、途中にある赤信号を無視する者もいる。暴走の場はデュイスブルガー通りに止まらず、周囲の脇道へと拡大していった。

 暴走行為の被害を受けるのは、騒音で安眠を妨害される住民である。デュイスブルガー通りに面して建つ建物の上階に居住する者はもちろん、周辺の脇道に居住する者も、夜間に走り回る車の騒音に安眠を妨害されるようになった。住民が個別に市や区の政治家に働きかけた効果で、たとえば2011年4月8日(金)と9日(土)には19時から深夜までスピード測定車が動員され、スピード違反に目を光らせた。約4,700台の車のうち、91台が制限に違反し、最高は時速99キロだった。もちろん、大型店の駐車場に集まってきた車も、追い出された。

 その後も暴走は続き、住民は持続的な対策を求めた。こうして出てきたユニークな対策が、カーレースを妨害するためにトラックの駐車を認める方策である。2台で並走してレースを行うことができなくなるように、金曜日の19時から月曜朝6時まで、外側の車線に駐車を許容することにして、トラック運転手に協力を呼びかけた。この対策は2014年春に開始されたが、半年後の調査で、交通量は減少したが、最高速度はかえって高くなった部分もあり、効果が出ていないことが明らかになった。

 2014年の末になると、それまでの個別的な働きかけに限界を感じた住民は、「住民イニシアティブ」を設立し、署名活動を開始し、暴走に合わせて夜10時からデモも行った。住民がとくに求めた方策は、夜間の制限速度を時速30キロに低下させ、スピード違反を継続的に監視する自動速度違反取締装置や、ハンプを設置することである。この道路は幹線なので、30キロ制限には慎重な検討が必要で、交通量や騒音が調べられた。その結果、騒音対策として夜間(22~6時)に30キロ制限を行うことが決まり、2015年9月に標識が設置された。

 これまで、デュイスブルク市は、スピード違反のために固定的な測定点を設置することには消極的だった。かわりに移動測定車を使用し、ここで紹介した4台目の後、さらに1台を追加し、5台体制となっていた。自動取締機を設置しない理由は、設置と維持に多額の経費が必要で、破壊行為の対象となりやすく、場所が分かるので効果が長続きしない上、機械をやり過ごした後にアクセルが踏まれてしまうから、と説明されていた。しかし、市議会の求めを受け、方針を修正して、固定式の取締機も設置することにした。そして、第一陣として、このデュイスブルガー通りを含む3ヶ所が選定された。

以前よりも眠れるようになると、暴走に長年苦しんできた住民イニシアティブのメンバーが、自動取締機のまわりでバンザイをしている光景。(Der Westen紙より)

 こうして自動取締機が設置され、2015年12月中旬から稼動し始めた。1月には、約200名のドライバーの違反が確認されたが、その9割は夜間の30キロ制限の時である。さらに、2月中旬からは赤信号無視も取締機の対象となった。こうして、2月末に、住民イニシアティブのメンバーが取締機を囲んで成果を祝った。その時に撮影されたのが、上の写真である。

 ところで、この記事は「眠られるようになる」と書き始めている。当初は「眠られるようになった」としていたが、それは時期尚早だと思ったからである。ひとつは、自動取締機はまだ1台しかないからで、暴走の摘発には、イニシアティブが求めているように、反対車線にも設置することが望まれる。もうひとつは、暴走が多いのは春から秋の暖かい時期で、まだその時期の効果は未知数だからである。住民イニシアティブの戦いは、まだ終わったわけではない。

| アウトバーンや交通規制 | 13:03 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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