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今年も来た、コンクール「都市を自転車で走ろう」の季節

 今週から、ドイツ各地区では、自転車でさっそうと走る人々の姿が多く見られるようになっている。5月21日(土)から6月10日(金)までの3週間にわたり、連邦全土で都市コンクール"Stadtradeln"が行われる影響である。この"Stadtradeln"という言葉は、「都市」"Stadt"と「自転車に乗る」"radeln"を組み合わせたもので、コンクール「都市を自転車で走ろう」と訳してみた。今年のコンクールは、446都市の参加で競われる。

ミュルハイム駅前に集まって来たサイクリスト。この後、公園へ移動し、コンクールの開始イベントが祝われた。(Der Westen紙より)
 コンクールを主催しているのは気候連盟で、「良い気候のために自転車に乗ろう」という副題がついている。趣旨に賛同する参加都市の個人やグループは、気候連盟が作成したホームページに登録する。そして、自転車で走ったキロ数をホームページに入力するだけでいい。都市別に参加人数やキロ数を競うわけだが、いろいろな観点からの賞が用意されているので、楽しめる。たとえば学校のグループ、市議会議員のグループ、あるいは市長などのジャンル別でも賞が用意されているそうだ。

 ルール地方から13都市が参加した昨年は、参加人数1100名、走行キロ数298,162kmのエッセンの努力が光った。参加者1人が、毎日13kmほど走った計算になる。都市間の競争だけでなく、協力も行われており、今年の初日には、エッセン、デュイスブルクとオーバーハウゼンからミュルハイム駅を目ざしてサイクリングが行われた。このように各地から一点を目ざして行われるサイクリングを、スター走行と言うそうだ。もちろん、ミュルハイム市民も駅に集まって来た、上の写真がそれである。ミュルハイム駅が集合地点に選ばれたのは、昨年末にルール自転車高速道がミュルハイム駅まで開通した影響だろう。自転車高速道の効果で、昨年よりキロ数が大きく伸びることを期待したい。

 ミュルハイム市は、この「都市を自転車で走ろう」を機に、市内での自転車利用が伸びることを期待し、キャンペーンに力を入れている。ミュルハイムの都市計画責任者によると、「交通手段として自転車を利用する比率が、ミュルハイムでは4%と低い」そうである。隣接都市を眺めると、2001年から2011年の間に、エッセンが3から5%へ、オーバーハウゼンが6から8%へと伸ばしているので、自転車高速道が駅まで開通した今年は確かにチャンスである。

 現在、自転車高速道は、ミュルハイム駅から西へ、デュイスブルクを目ざして延伸工事が進んでいる。だから、来年も、そしてその次も、「自転車で都市を走ろう」の宣伝に努力する姿が見られることだろう。もちろん、自転車の活用が進み、都市気候が改善されることも期待できる。
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| 自転車や歩道・舗装 | 16:41 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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民泊ビジネスからの税金徴収に力を入れるドルトムント

 最近の日本では、Airbnb(エアビーアンドビー)社のインターネットによるサービスなどを利用した「民泊ビジネス」が拡大している。ホテル・旅館と比べた際の不平等や、周囲への迷惑が話題になっているが、ベッドが不足していることも事実なので、一定の条件をつけて認めていく方向にあるようだ。

 このような民泊ビジネスの状況は、ドイツでも同じである。デュイスブルク南部では、日本人の学生が、Airbnbを通じ、日本語で自室を提供しているそうだ。もちろん、いろいろな規定を守らねばならないホテルから、「扱いが不平等」だという意見が出されている点も、日本と同じである。

 しかし、日本と違う点もある:それが「税金」である。日本でも、所得が生じれば「所得税」の対象となるし、サービスの提供なので「消費税」も問題になるはずである。しかし、それに触れた報道は見られない。一方、ドルトムントでは、市が税務署と協力して民泊ビジネスへの課税に努力するという記事が、新聞に掲載された。この記事を見て、市に「税金をごまかすつもりはない、支払う」と電話してきたAirbnbによる民泊経営者もいる、という話しである。

 実は、日本の消費税にあたるドイツの付加価値税は税率19%だが、宿泊業に対し、2010年から7%の軽減税率が導入された。財政に四苦八苦しているルール地方では、この税負担軽減を背景に、市独自の「宿泊税」を導入する動きが始まった。ドルトムントも2010年末に5%の税率で宿泊税を導入したが、ホテル業界は裁判で対抗した。結局、「付加価値税を軽減した経過から考え、ビジネス客への課税は認められないが、私的な旅行客は対象として良い」、ということになったそうである。そこで、ドルトムントは過去の税額を返金した上で、新しい条例を制定して、個人客だけを対象に、税率7.5%で新「宿泊税」を導入した。

 財政の厳しいドルトムントは、税務署とも協力し、「宿泊税」の徴収のため、民泊ビジネスへ目を光らせるそうである。付加価値税と所得税を扱う税務署も、協力に期待していることだろう。もちろん宿泊業界も、不平等がなくなると歓迎している模様である。

 しかし、日本では民泊ビジネスへの課税は全く話題になっていない。調べてみたら、その原因は「益税」にあるらしいとわかった。消費税の場合、「売上高が年間1000万円以下の零細事業者が預かった消費税は納税の必要がない」、という制度である。年間1000万円は、1日3万円弱になる。だから、マンションを借りて民泊を行っている個人などでは納税が必要なケースがあるはずだが、益税の影に隠れ、発見は容易でないと思われる。日本の宿泊業界はこの点には声をあげていないが、一体どう思っているのだろうか。

| 市財政や税金問題 | 14:26 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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二酸化炭素の排出削減に積極的に取り組むミュルハイム

 今月初めに、二酸化炭素の排出抑制を目ざす「革新都市」第二段階のモデル地区に、ミュルハイムの都心と北部住宅地の2箇所が選ばれたことが州から発表され、ミュルハイム市役所は喜びに沸いた。環境都市を目ざすプロジェクト「革新都市」で、ルール地方全体から20箇所のモデル地区が募集され、17都市の20地区が選定された。よもやま通信6都市では、他にドルトムントとオーバーハウゼンも1地区ずつ選定されている。2地区が選定されたのは、ミュルハイム、グラードベックとハムの3都市だけで、ミュルハイムの意気込みの強さが理解できる。

 ミュルハイムの意気込みの強さには、理由がある。二酸化炭素排出削減を目ざす「革新都市」プロジェクトは、もともと2010年にボトロップ市南部を対象に開始されたものである。その時は16都市が応募し、ミュルハイムも最終段階まで残ったが、惜しくも選に漏れた。そこで、ルール地方からの協力を受けつつ、独自の立場で二酸化炭素排出削減に取り組んできたミュルハイムは、今回の応募では2ヶ所の選定を目ざした。なお、エッセンに今回のモデル地区がない事情にも、ミュルハイムに似た点がある。革新都市をボトロップと争ったエッセンは、都心北部の住宅地ですでに同じような試みを進めている。このため、担当するスタッフに余裕がなく、今回は応募を見送っている。

ボトロップとよもやま通信6都市の位置関係。ボトロップの東にはグラードベックが隣接する。
 ボトロップでは、多額の資金援助を活用し、市南部のモデル地区で「10年間に二酸化炭素排出を半減する」ことを目ざして取り組んできた。5年が経過した2015年末の時点で、すでに37.6%削減と、目標の約 3/4を達成した。そこで、州政府は、革新都市プロジェクトの第二段階として、ボトロップの経験を他のルール都市に拡大する試みに取り組もうと考えた。当初は20都市の20地区を選定する予定で、ルール地方の都市に応募するように呼びかけた。

 では、実際にどのようなプロジェクトに取り組まれるのだろうか。ボトロップでは、太陽光発電やスマートグリッド、汚水処理場での汚泥発電、コジェネなど、多数のプロジェクトに取り組まれているが、最も重要なのは住宅の断熱である。州と連邦がルール地方で革新都市モデルに取り組んだ背景にも、この点がある:ルール地方には、戦前の炭坑住宅、戦後復興期の住宅や、1970年代の高層住宅などが多く、住宅の断熱改修が他の地方より重要だからである。

 これからのプロジェクト進行では、ボトロップの経験が生かされることになっている。どのように進むのか、今後も観察を進めていきたい。

| エネルギー・地球環境 | 21:55 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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