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オーバーハウゼン都心にシリア難民がレストランを開店

開店したばかりのレストラン「ロイヤル」店内の様子。(Der Westen紙より)
 今週木曜日の8月18日、オーバーハウゼンの中心商店街であるマルクト通りに、シリア難民3名が協力して運営するレストラン「ロイヤル」が開店した。物珍しさも手伝い、多くの客がシリア料理を口にしたそうだ。3名(うち1名はコック)ではとても手が足りず、当面はボランティア10名の協力を受けている。シリア難民2名をパートタイムで雇用することを計画しているので、いずれ店のスタッフで運営できるようになるだろう。

 もちろん、ここまで来るには、ボランティアの協力が大きな役割を果たした。オーバーハウゼン北部の難民収容施設にいたバッサム・アルバビは、イランでレストランを経営していた。ドイツでもレストランを持つことを夢見ていることを、ボランティアのマーヤ―・オナラハに話したところ、マーヤ―が全面的に協力し、店を探したそうだ。3名の手持ち資金だけでは開店に足りなかったので、マーヤ―が融資を受け、開店準備のため提供している。マーヤーも、戦争を逃れてドイツに来たそうなので、ひょっとすると中東出身の方かもしれない。彼は、「難民に協力するのは自分の義務だ」と考え、ボランティアとして協力しているそうだ。

 店のあるマルクト通りは、オーバーハウゼン都心の中心である。このような場所が得られたのは、オーバーハウゼン都心の衰退の影響でもある。以前の「6都市比較」で説明したように、オーバーハウゼン都心は、ちょうど20年前にオープンしたツェントロの影響で、衰退に苦しんでいる。その結果として、マルクト通りにもいくつか空き店舗がある。この店の場合は、事情を聞いた家主が、難民の自立に共感し、家賃を安くしたそうだ。開店祝いに、アルバビが住む市北部の区長もかけつけているので、政治と行政も店舗探しに協力したのだろう。

 私は、この店舗が、オーバーハウゼン都心の活性化に役立ってくれることも期待している。インターネットで検索すると、シリアのレストランが開店したという記事は、私が読んでいるWAZ紙に加え、いくつかの雑誌にも掲載されていることがわかる。私も来月にオーバーハウゼンを訪問する予定なので、できれば味見をしてみたいと思っている。
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エッセンでようやく難民テント村の撤収が始まる

 難民を収容する施設に苦しみ、スポーツ施設に大規模なテント村を設置して凌いでいたエッセンで、ようやくテント村の撤収が開始した。以前紹介したように、難民をどのような施設に収容するかは各市の裁量に委ねられていて、市の事情が反映している。そして、よもやま通信都市で最もテント村への依存が大きかったのが、エッセン市である。1日に数十名の難民が新たに配分されるというピーク時に、難民がホームレスになるのを避けるため、市はテントを設置するしか方法がなかった。

 こうして現在、市には10箇所、計3902人分のテント村がある。しかし、明日になれば1ヶ所が減り、9箇所になる。今年初めに契約した民間空きビルの工事が完成し、ようやく400名の難民収容が可能になるためである。8月中には、もう1ヶ所のテントも撤収される。こうして年内に7箇所のテント村が廃止され、残るは3箇所だけになる予定である。年始めの計画では、今年8月までに全てのテント村をなくす予定だったが、その8月になってようやく撤収計画が動き出したわけである。

 では、テント村の撤収が急がれたのはなぜだろうか。その最大の理由は「多額の経費がかかる」ことである。テントだから安く済むように感じられるかもしれないが、事実は逆であった。今年1月の報道によると、テント村の経費は、月に難民1人あたり2,029ユーロもかかり、最も高額な収容形態である。1ユーロ120円とすると、月に24万円強、4人家族で100万円弱と、たしかに高い。しかも「高くかかるから入った難民は満足する」ようなことはなく、むしろ逆で、改善を求めて難民によるデモも行われたほどである。これでは、高い支出が報われない。

 いずれにせよ、このようなテント村廃止を可能にしたのは、最近の難民情勢が変化し、以前に比べて新規流入が減少していることである。エッセン市の場合、現在は月に100名程度の流入と、落ち着いてきている。もちろん、そのために施設準備の手を緩めるわけにはいかないが、以前よりは緩和してきている。そして現在頭を痛めているのが、「住宅の新築」である。難民はいずれ施設を出て、住宅に移ることになるからで、難民問題が今後の都市政策の大きな課題であることは変わっていない。

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