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歩行者用青信号の時間を再検討させたニセ交通標識

 先日の朝日新聞に、『津波で流された街に偽バス停 表示板には「またきてね」』という記事があった。仙台市で海沿いの町が流され、バス路線もなくなったことを残念に思うアーティストの復興を願う作品で、「偽・仙台市交通局」と明記しているそうだ。このようなあたたかいニセの標識がある一方で、「交通安全のため」として一時停止標識を勝手に設置し、道路交通法違反で検挙される例もある。先週、エッセンでもニセの交通標識についてのニュースが流れた。一目でニセ標識とわかるものだが、この標識は、前者のアーティスト作品と後者の検挙例のうち、どちらに近いだろうか。

「この交通信号は何時間も赤のことがある。がまんするようにお願いします」と書かれた交通標識。(Der Westen紙より)
 その交通標識が、右の写真である。歩行者用信号に「この交通信号は何時間も赤のことがある。がまんするようにお願いします」と書かれており、「青信号の時間が短すぎるという訴え」であることが容易にわかる。

 日本では、交通信号を扱う警察は都道府県の所属なので、信号は広域的に扱われている。一方、ドイツでは、信号などの交通安全面を扱うのは市町村である。このため、「きめ細かく設定されているな」と思うことが少なくない。とくに歩行者の道路横断には、道路中央に交通島(安全地帯)を設置する例が多く、横断しやすい。交通島があると、島の手前と向こうで別々に歩行者用信号が置かれ、待ち時間も比較的短いように感じられる。

 その一方で、「青信号の時間が短く、とても渡りきれない」と感じることもある。まわりの人を見ると、赤になっても平気で横断歩道を渡っていて、止まっている車が動き出す気配はない。だから、「青の間に横断し始めれば、赤になっても渡っていていいようになっているのだろう」と、勝手に思っていた。

 このニセ交通標識が設置されたのは、エッセン市の南部である。私が「青信号が短い」と感じたのも、ひょっとするとエッセン市だったのかもしれない。もちろん、エッセン市はニセ標識を直ちに取り外した。同時に、以前から苦情が寄せられていた通りについて、信号時間の再検討を開始したそうだ。このニセ交通標識には、かなり費用がかかっていると思われ、その苦労が報われることを願っている。
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| 自転車や歩道・舗装 | 17:30 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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4階建て集合住宅に改修でエレベーターを設置

改修でエレベーターが設置された4階建ての集合住宅。(2016年撮影)
 デュイスブルクの南西部で、4階建ての集合住宅に、改修でエレベーターを設置した例を見てきたので、紹介したい。日本では「集合住宅」というと5階建て以上が普通で、5階建てにはエレベーターがないのが通例である。たとえば福島県営住宅では5階の入居状況が4階以下より悪く、県はエレベーターの設置に努力してきた。ドイツでも人口高齢化に対応するため設置が進められているが、まだ「4階建て集合住宅の改修で設置」した例は知らなかったので、地図を片手に現地を訪問してきた。普通の場合は建物の入口(玄関側)にエレベーターが設置されるが、ここは「入口は建物北側、新設したエレベーターは建物南側」であることも興味を引いた。

 この住宅があるのはデュイスブルクの都心からライン川を渡った「ラインハウゼン」という地区で、同じタイプの住宅が5棟並んでいる。初めて改修を行ったのは一昨年で、その評価が良かったので、昨年、2棟目を行った。それがこの写真の住宅で、入居開始は今年の2月だそうである。最も気になっていたのが、エレベーターに外部から直接入れるようになっている点である。近づいてみたところ、予想通り「鍵穴」があった。

 ちょうど建物から出て来た男性がいて、「何かわからないことでも?(英語に訳すと"Can I help you?")」と話しかけてきた。それで、鍵がどうなっているのか聞いてみた。各世帯に鍵が配布されており、皆使える、ということだった。こういう場所に東洋人が来るのは珍しいためか、「どこから来たのか。居住者か、旅行者か」と尋ねられたので、日本からエレベーターを見に来たと説明した。すると、彼は意外なことを質問した、「日本にはエレベーターはないのか」と。「あるが、4階建てにつけられた例は知らない」と説明し、何とか納得してもらった次第である。

 この住宅を所有しているのは「ラインハウゼン住宅連盟」という住宅組合で、100年近い歴史を有す。最近は住宅のバリアフリー化や断熱などの質的向上に力を入れており、道路の反対側にある5階建ての集合住宅は、数年前に改修を終えている。最近は、戦争直後に建設し、間取りも古くなった建物を取り壊して新築する事業にも取り組んでいる。この4階建て住宅の場合は、規模が約100平米あるので、改修で対応したものと思われる。エレベーターを南側に設置したのは、改修費用を節約し、住宅をあまり狭くしないで済むからのようだ。8戸でエレベーターを1つ共同利用するのはもったいない感じもするが、快適に生活できることだろう。

| 人口減少や住宅 | 21:42 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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