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自転車コンクールの機会に生き残りを目ざす「貸し自転車」

 今年も、コンクール「都市を自転車で走ろう」の季節がやって来た。今回は、5月20日(土)から6月9日(金)までの3週間に、連邦全土で自転車走行キロ数が競われる。昨年は、初日にミュルハイム駅を目ざして集まるサイクリング「スター走行」が行われた。今年のスター走行は、エッセンの世界遺産「ツォルフェアアイン炭坑」を目標地点として、エッセンに加え、デュイスブルク、ミュルハイムやオーバーハウゼンから参加者が集まった。

ミュルハイムの都心近くにある貸し自転車ステーション。整備された自転車が5台並んでおり、あまり利用されていない印象を受ける。(2012年撮影)
 さらに、今年の開始日である5月20日には、10都市で貸し自転車システム「ルール大都市圏自転車」を運営しているネクストバイク社が、6時間の自転車無料利用を提供した。これは、ルール大都市圏自転車にとっては、いわば「生き残りのための宣伝」である。利用が思ったように伸びないため、ネクストバイク社は赤字に苦しんでおり、現在の貸し自転車システムがいつまで続くのか、予断を許さない状況にある。

 この貸し自転車が誕生したのは、連邦が2009年に行った自転車利用に関するコンクールで選定された結果である。応募したのは、ルール大都市圏の主要10都市(よもやま通信6都市と、隣接するボトロップ、ゲルゼンキルヘン、ヘルネと、東側のハム)、ルール大都市圏広域連合と、ライン・ルール交通連合によるグループである。2010年の欧州文化首都年に、自転車1500台、ステーション150箇所で開始し、2012年に3000台へと拡充する計画だった。そして、連邦補助がなくなる2013年からは、自立して運営できることを目ざす。

 利用は簡単で、料金も安い。事前の登録が必要だが、ステーションに行き、解錠のためのコードを入手すれば、すぐに自転車を利用できる。自転車を借り出したステーションに返却する義務はなく、どこのステーションに返却してもいい。料金は1時間1ユーロだが、1日利用は8ユーロ。そして、バスや電車を利用した場合、1日に1回は無料で30分間利用できる。このように、電車やバスを利用した後に「目的地まで残る距離」のための片道利用も可能な、「公共交通の一部」として利用しやすいシステムが考えられた。

 プロジェクトは、2010年6月に開始した。ところが、開始してみると、期待したほど利用が伸びず、運営するネクストバイク社が赤字に苦しむこととなった。ルール大都市圏ほど広域ではないが、他にも貸し自転車システムを実施している都市がいくつかある。どこも赤字で、市が補助しているのが実態である。しかし、よもやま通信で何回も伝えているように(たとえばこのように)、ルール地方の各都市は財政赤字に苦しんでおり、とても補助する余裕はない。そこで、ネクストバイク社は、大学などと包括契約を行い、学生1人あたり1ユーロ50セントを受け取って利用毎に当初60分を無料にするなど、利用拡大へ工夫を重ねてきた。

 それでも、2015年にも30万ユーロの赤字を出し、撤退が検討された。議論の結果、ステーションのスクラップ・アンド・ビルドを行い、自転車1700台、ステーション276箇所で頑張ってみることになった。2017年に入り、オーバーハウゼン市役所も大学に準じた包括契約を行うなど、明るいきざしもあるが、楽観はできない。5月20日の6時間無料はあまり活用されなかったようだが、何とか「生き残ってほしい」、と願っている。
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| 自転車や歩道・舗装 | 18:33 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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エッセンで土曜日に無包装の食料品店が開店

 今週の土曜日に、エッセン市中央駅の南に、ルール地方初の「無包装店」がオープンする。日本でも、買い物の際の包装が問題とされ、最近ではレジ袋が有料の店舗が主流になっている。しかし、自分で買い物袋を持って出かけても、買ってきた商品を食べる際には、その商品が包まれていたパックがごみとして出る。ごみになる袋が1つで済む場合は、まだいいかもしれない、たとえばアメ玉を買ってきて食べようとすると、アメが袋の中でさらに個包装に包まれているのが主流である。なかには、プラスチックのトレイまでついている場合がある。

開店準備を進める店内で、購入する方法を示してみせるテスケさん。(Der Westen紙より)
 こんどエッセンに開店する店は、いわば「完全無包装店」である。客はタッパーや瓶を持参し、アメ玉をそれに入れて重さを量り、出てきたラベルを貼ってからレジへ向かう。つまり、商品だけをばら売りで売る、「完全無包装店」である。

 このような無包装店は、2年ほど前、ボンに登場したのが初めてだそうである。店舗を経営するダイネットさんは、旅行でオーストラリアを訪問した際に、スーパーで、ばら売り商品がドイツよりはるかに多いことに気づいた。帰国後、持続的な食料品店を目ざし、ばら売り店の構想を長くあたためていたが、夫と会社を設立し、開店にこぎ着けたそうである。

 ダイネットさんによると、「ばら売り商品の価格は、例外なく包装のある同質品より有利」である。そして、ごみはリサイクルに入る前に避けられる、と話す。もちろん、肉や牛乳のように、何らかの包装が避けられない商品もあるが、その種の例外扱いはできるだけ少数にしたいと考えているそうだ。

 この種の無包装店は、最近、ドイツの各地に見られるようになっている。今回、エッセンに開店するテスケさんの場合は、ベルリンで無包装店を見たのがきっかけとなり、仕事を辞め、準備を進めた。そのベルリンの無包装店は、インターネットを通じて開店資金を寄附で集めたそうである。

 エッセンのテスケさんの場合も、フェイスブックを通じて店を宣伝している。すでに多数の人が書き込んでおり、開店を待っている様子がわかる。無包装店の経営も大変だろうが、買いに来る客の方にも一定の覚悟が必要になるだろう。エッセンの店が順調に客を集め、発展していくことを期待している。

| エネルギー・地球環境 | 16:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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