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アウトバーン橋下のトラックへの放火で交通に甚大な影響

 ドイツのニュースを何年もチェックしているが、うんざりするというか、「何とかならないのものか」と思うのが、放火や落書きのニュースである。社会への適応に問題がある若者などが行う犯罪で、誰も得をする者はなく、社会に損害がもたらされるのは、つらいことである。落書きはがまんできる人もいるかもしれないが、元に戻すにはかなり経費がかかる。そして放火では、貴重な財産が一瞬で失われるだけでなく、命に関わることもあり、火災跡は周囲にマイナスの影響を及ぼす。ドイツのニュースを見ていると、失火による火災は少なく、火災の大部分は放火である。「社会の病」、こう表現することができると思う。

火災現場では車が焼けただれ、橋からはロープが垂れ下がっている。(Der Westen紙より)
 そのような放火の中でも、4月16日の早朝にデュイスブルクのアウトバーン59号線のベルリーナ橋の下に駐車していたトラックへの放火ほど大きな影響を及ぼす例は、珍しい。橋の下に木材を積んで駐車していたトラックに放火された。もちろん、気づいた人が消防に連絡したが、消防が到着したときは、トラックに加え、隣の車も火に包まれていた。こうして、計5台の車が全焼し、他にも数台が損害を受けた。

 これだけでも数千万円の被害だが、問題は場所が「アウトバーンの橋下」であったことである。火災の熱で橋を構成している鉄とコンクリートが損傷した。まずは調査のために橋の通行が止められた。ドイツ、とくにルール地方ではアウトバーンが網の目のようなネットワークを構成しているが、通行できない車が周囲の一般道やアウトバーンへ迂回するため、影響は広域にわたっている。しかも、橋の修復には期間がかかる。火災の直撃を受け、「少なくとも1週間は閉鎖する」と発表されたたベルリーナ橋の北行き車線は、2週間後の現在も通行禁止のままである。予定では、あさっての5月1日から、速度制限の上で通行できることになっている。

 犯人がわかりにくい放火だが、この事件の場合は、目撃証言により、数日後に容疑者の兄弟が逮捕された。取り調べの結果、兄(29歳)が放火を自白し、弟(19歳)は釈放された。兄は刑務所から釈放されて出てきたばかりで、弟の住まいに世話になっていた。

 福島でも、20年近く前に何回か放火が続いたことがあったが、犯人は逮捕され、その後は問題は聞いていない。放火や落書きが少ないことは、日本の長所だと思う。ドイツも、私が1年を過ごした40年以上前は、落書きもほとんど見当たらず、日本とあまり変わらなかった。日本も、最近の海外からの旅行者増加などで落書きが増える気配もあるが、長所はこのまま維持したいものだと思う。
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| アウトバーンや交通規制 | 23:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ドイツのイケアが郊外出店から都心回帰へと大転換

 先週、ドイツのイケアが、これまでの出店方針を転換し、車に依存した郊外出店から、公共交通の便が良いところへ出店すると発表した。もちろん、私はこの転換を大歓迎している。

エッセン都心ベルリーナ広場のすぐそばにあるイケア店(2001年撮影)。売場面積は約1万5千平米で、2012年頃、イケアは「この面積では持続性がない、あと1万平米はほしい」と、市外を中心に探していた。その後2014年に、市内残留を目ざすエッセン市と、2kmほど北西の工場跡地に移転することで合意していた。
 これまで、イケアは郊外に出店し、自店舗を中心としたショッピングセンター整備を行ったりもしてきた(たとえば南ドイツのウルム)。しかし、中心市街地の衰退を防止しようとするドイツ都市計画により、その方針は認められなくなった。ショッピングセンターの形成を断念させられたイケアは、その後も郊外進出は進めた。もちろん、ルール地方も例外ではなく、ドルトムントに郊外店を建設し、都心に店舗があるエッセンでは郊外への拡大移転を計画し、さらにはエッセン北のボトロップと、ドルトムント北西のカストロプ・ラウクセルに郊外型新店舗の建設準備を進めていた。

 ところが、そのイケアが、「郊外はもはや将来性がない」として、ボトロップとカストロプ・ラウクセルへの新店舗建設を断念し、エッセンの移転計画も再検討すると発表したのである。とても大きな方針転換で、このニュースには驚いた。ボトロップとカストロプ・ラウクセルの市長は、とても落胆しているそうだ。

 イケアによると、背景には、イケアがドイツ市場に浸透し、あまり大きな成長が望めなくなったことがある。しかも、最近の若い世代は、以前ほどは車に依存しなくなった。そこで戦術を転換し、車のない客でも利用できる場所を目ざすことにしたそうだ。その一方で、インターネットによるオンライン販売は増加し、すでに売り上げの6%はオンライン販売になっている。10%を超える日も遠くないと思われるので、これには配送センターの整備で対応する。こうして、これまでの郊外出店から、「都心店プラス配送センター」に転換する方針が決定された。

 もちろん、この転換の背景には、ドイツが郊外出店を規制し、都心の活性化を維持していることがある。このような都市計画の転換が行われたのは、もう20年以上前のことで、遂にイケアが方針転換することになったのかと、感慨深いものがある。日本はまだ郊外出店をかなり認めているが、ドイツに見習い、都心活性化をもっと進めてほしいものだと考える。

| 中心市街地や近隣供給 | 23:07 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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