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ディーゼル車走行禁止は窒素酸化物対策の切り札になるか

 先月の後半に、窒素酸化物対策を巡り、大きな動きがあった。一つはこのブログでも伝えた、公共交通の無料化で窒素酸化物を削減することを目ざす動きである。連邦政府が打ち上げたこの動きは、現在、ほぼ止まっている。その大きな原因は、財源面にある。公共交通無料化のためには財源が必要になるが、無料化のアイデアを出した連邦政府は、この財源対策を示していないのである。

 そのような状況で、候補としてあげられた5都市の市長が、2月最後の週末にボンで話し合いを行った。そこで、次のような点がまとめられた。
  • バスと電車の無料走行は魅力的なアイデアだが、経費やインフラ面の準備が必要で、それほど迅速にはできない。
  • 当面は、実行可能な窒素酸化物対策に力を集中すべきで、3月中旬までに、考えられる対策の提案リストを連邦政府に示したい。
 つまり、公共交通の無料化は長期的な課題ではあるが、財源がなく、インフラも不十分なため当面は実施しない。それに代わり、各種の短期的な対策の組み合わせで事態を乗り切るための提案をまとめたい、ということである。

 この問題で世論が最も注目しているのが、「窒素酸化物対策として、ディーゼル車走行禁止もあるのか」という点である。現在のところ、連邦にはそのようなことを可能にする法的枠組みはない。しかし、それではEUが設定した環境基準をまもれないと、環境関連NPOが問題にし、ディーゼル車走行禁止を含めて大気浄化計画の強化が必要だと提訴した。下級審が環境団体の意見を認めたので、連邦行政裁判所に上告され、審理が行われていたものである。

 連邦行政裁判所は、デュッセルドルフとシュツットガルトからの上告に関し、先月の2月27日に「現行法の下でも、ディーゼル車走行禁止を実施することはできる」という判断を示した。もちろん、直ちに全都市で実施するというようなものではなく、それなりの必要性があり、相当な対策だと認められる場合に限られるので、実際に行われるのはかなり先になるだろう。窒素酸化物の汚染状況が最もひどい南ドイツのシュツットガルトや、都市州であるため敏速に動けるハンブルクなどが候補になるだろう。大気汚染については州が大きな権限を有しているので、都市だけの判断で動くことはない。

 ルール地方よもやま通信の都市で最も可能性が高いのは、汚染値から考えてエッセンである。しかし、公共交通無料化の候補ともなったそのエッセンは、ディーゼル車走行禁止に猛反発している。だから、近く市が提出することになっている対策リストには、ディーゼル車走行禁止は示されないと思われる。どのような対策が示され、実効性があるのか、今後はこの点が問題となるだろう。
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| アウトバーンや交通規制 | 23:04 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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