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保育所建設に追われる自治体 - ミュルハイムの場合

 このところ、子どもを認可保育所に預けられない杉並区の母親たちが行政不服審査法に基づく異議申し立てを行ったり、政府の規制改革会議が2年間で「待機児童ゼロ」を目指す提言を行ったりと、「保育所問題」が取りあげられている。一方、ドイツの自治体は、この夏を目ざす保育所建設に苦しんでいる。とくに財政が厳しいルール地方では、間に合うかどうかが懸念されている。どうしてこのような事態になったのか、それは連邦の新しい法律が原因である。

 保育所を充実させる簡単な方法は、「保育所への入所を希望する者に対し、入所の権利を与える」ことかもしれない。ドイツは、すでに1996年から、3歳以上の児童について、この権利が認められていた。そして、この8月から、権利が1歳から3歳までの児童に拡張される。もちろん、法律を決めた連邦政府は、保育所の整備に充てるため、州を通じて資金を配分したそうである。普通の自治体であればそれで何とかできるのかもしれない。しかし、市町村財政が非常に悪化しているルール地方では、わずかの配分を受けても「焼け石に水」である。

 数日前、ミュルハイムの新聞に、「親が校庭のコンテナーの保育所利用に反対」という記事が掲載されていた。ある中学校の校庭にコンテナーが置かれたままになっていたので、市が、それを利用して70名の保育所にしようと検討しているのだそうだ。中学生の親は、校庭が狭くなると反対しているそうである。なお、ドイツの「コンテナー」は日本より意味が広く、プレハブ建物も含まれるようなので、校庭にあるのは輸送用コンテナーではなく、プレハブ校舎だと思われる。

 もともとこの中学校は生徒数に対して校庭が狭く、市の基準を下回っていた。そこで、コンテナーは一部は除去し、一部は学校が利用することになっていたそうだ。市は、「その約束は古くなった」と説明している。保育所化の計画はすでにかなり進んでいるそうで、担当者は「親の怒りはわかるが、他に方法がない」と説明している。

 議会の力が強いドイツでは、コンテナーの運命を決定するのは市議会の政治家の仕事である。近く議題となるはずだが、どんな議論が行われ、どう決定されるのだろうか:政治家も大変である。おそらく、反対する母親は議会を目ざしてデモを行うことだろう。ひょっとすると、生徒もデモを行うかも知れない - 何しろ、ドイツは「幼稚園生がデモを行うこともある」国なのだから。
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